2013年11月
真空紫外線スペクトル領域における金属ナトリウムの部分透過の実証
Optics Express (Internet)
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- 巻
- 21
- 号
- 23
- 開始ページ
- 28182
- 終了ページ
- 28188
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1364/OE.21.028182
一般に金属は紫外線を吸収するため、紫外線が金属を透過するとは考えられていなかった。実際、様々な金属に対する紫外線の透過率が調べられているが、数ミリ厚の金属を紫外線が透過する報告はない。一方、まだ十分に紫外線透過率が調べられていない金属もあり、そのひとつがナトリウムである。ナトリウムの透過特性の研究は1930年代に遡るが、正確な実験データの取得ができなかった。ナトリウムは空気中の水分と反応して性質が変わるため、安定した厚みをもつ試料の作成が難しい点が理由の一つと考えられる。今回、フッ化マグネシウムという紫外線を通す特殊な窓材の間にナトリウムを挟み込むことで安定な試料の作製に成功し、その結果、真空紫外線と呼ばれる波長115-170ナノメートル(ナノメートルは100万分の1ミリメートル)の光が、厚さ1mm$\sim$8mmの固体金属ナトリウムや温度150$^{\circ}$Cの液体金属ナトリウムを透過することを世界で初めて明らかにした。さらに厚さ8ミリメートルのナトリウムの陰に隠れた物体の透視を行い、その像を明瞭に撮影することにも成功した。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1364/OE.21.028182
- ISSN : 1094-4087