JAEAにおける$^{3}$He中性子スピンフィルターの開発
2018年度量子ビームサイエンスフェスタ; 第10回MLFシンポジウム/第36回PFシンポジウム
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- 開催年月日
- 2019年3月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- つくば
- 国・地域
- 日本
共通技術開発セクションでは、J-PARC物質・生命科学実験施設の大強度中性子ビームを最大限活用するために、$^{3}$Heスピンフィルターの開発を行なっている。$^{3}$Heスピンフィルターは特殊なガラスセルに$^{3}$Heガスとアルカリ元素を封入した中性子偏極デバイスである。$^{3}$He原子核の中性子吸収断面積は大きなスピン依存性を持つため、偏極した$^{3}$Heガスに中性子を透過させることにより、広いエネルギー範囲で偏極中性子ビームを得ることが可能である。$^{3}$Heスピンフィルターに大強度円偏光レーザーを照射し、スピン交換法(Spin Exchange Optical Pumping : SEOP)を用いて$^{3}$He原子核を偏極させる。現在原子力機構では電子スピン共鳴法(EPR)を用いた$^{3}$He偏極率の評価システムを開発し、中性子ビームを使わずとも$^{3}$Heスピンフィルターの性能を正確に評価できるようになった。また、$^{3}$Heスピンフィルターを製作するためのガス封入システムの開発も行い、RbとKをガラスセルに封入するHybrid SEOP法を使用した高性能な$^{3}$Heスピンフィルターの開発に取り組んでいる。本発表では原子力機構における開発の現状について報告する。