論文

査読有り
2020年3月

重大事故時のBWR高温領域移行時におけるホウ素の化学挙動

Journal of Nuclear Science and Technology
  • 三輪 周平
  • ,
  • 高瀬 学
  • ,
  • 井元 純平
  • ,
  • 西岡 俊一郎
  • ,
  • 宮原 直哉
  • ,
  • 逢坂 正彦

57
3
開始ページ
291
終了ページ
300
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.1080/00223131.2019.1671913

BWR重大事故における制御材ホウ素の移行挙動を、セシウム及びヨウ素に与える化学的影響の観点から評価するため、高温領域を移行するホウ素の化学挙動を実験的に調べた。核分裂生成物放出移行再現実験装置を用いて水蒸気雰囲気にて酸化ホウ素試料の加熱実験を実施した。放出した酸化ホウ素蒸気は1,000K以上においてステンレス鋼への凝集により多量に沈着した。さらに、この酸化ホウ素の沈着物、もしくはホウ素蒸気種とステンレス鋼が1,000K以上において反応することで、安定な鉄-ホウ素の複合酸化物(FeO)$_{2}$BO$_{3}$化合物を形成することが分かった。この結果は、重大事故時において、破損したBWR制御ブレードから放出されるホウ素は圧力容器内等の高温領域に保持されることを示している。このことから、セシウム蒸気がホウ素の沈着物と反応することで低揮発性のホウ酸セシウム化合物を形成し、圧力容器から低温領域に移行するセシウム蒸気が減少することなどが可能性として考えられる。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1080/00223131.2019.1671913
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5066095
ID情報
  • DOI : 10.1080/00223131.2019.1671913
  • ISSN : 0022-3131

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