2000年1月
JT-60Uにおける高パワー長パルスECRFシステム
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.3
- 開始ページ
- 372
- 終了ページ
- 375
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
ITERや定常トカマク炉においてはECRFによる局所的な電流駆動により電流分布を制御しMHD不安定性を抑制することが期待されている。これを達成するために電子サイクロトロン周波数帯での発振管であるジャイロトロンの長パルス化や、入射位置の実時間制御の技術が不可欠である。現在、JT-60U用の高パワー長パルスECRFシステムを構築している。本システムは1MWジャイロトロン3本からなり、5秒以上の入射を目標としている。これまでにすでに1系統が稼動し、1MW-2秒、0.5MW-6秒の世界トップクラスの運転に成功した。この時の各部の温度上昇を調べたところ、いずれも設計値に近く長パルス化に対して熱負荷による問題は起こらないことを確認した。また、低電力RF試験により、アンテナからのビームの広がりがプラズマ位置で約10cm程度であり計算値に近いことを確認した。さらに、高パワーのプラズマ入射においては局所的な電子加熱を検証した。今後、アンテナの位置の実時間制御を実現し、3MW化と合わせ不安定性抑制の本格的な実証実験を行う予定である。