MISC

2017年8月

テストステロン減少が病態の顕性化に寄与したと考えられた高齢発症のQT延長症候群の1例

心臓
  • 長谷川 祐紀
  • ,
  • 坂口 裕太
  • ,
  • 大槻 総
  • ,
  • 飯嶋 賢一
  • ,
  • 八木原 伸江
  • ,
  • 佐藤 光希
  • ,
  • 和泉 大輔
  • ,
  • 池主 雅臣
  • ,
  • 南野 徹

49
Suppl.1
開始ページ
43
終了ページ
49
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)日本心臓財団

27歳時に片側睾丸摘出の既往がある61歳男性。母親とその姉妹2人が20歳頃に突然死している。失神や多形性心室頻拍(TdP)の既往はなかったが、50歳頃より検診でQT延長を指摘されていた。今回、運転中に初めて失神し搬送された。この際、著明なQT延長(QTc=666ms)とTdP頻発を認めた。器質的心疾患は認めず、家族歴から先天性QT延長症候群と考えられたが、本例では60歳代での心原性失神の初発であった。検診心電図では、QT延長は段階的に顕性化していた。本例では数日前からエフェドリン含む感冒薬の内服歴がありTdP発症の要因となったと考えられた。さらに本例では明らかなテストステロン低値を認めており、QT延長症候群の高齢での顕性化に寄与したと考えられた。QT延長例や潜在的素因を持つ例に内分泌的異常や薬剤など幅広い修飾因子が加わることで、高齢で初回発作をきたす例があり注意を要する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0586-4488
  • 医中誌Web ID : 2017398719

エクスポート
BibTeX RIS