共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

酸素プラズマによる植物機能のエピジェネティックな発現および遺伝機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 林 信哉
  • ,
  • 柳生 義人

課題番号
17H02806
配分額
(総額)
13,260,000円
(直接経費)
10,200,000円
(間接経費)
3,060,000円

プラズマ照射種子から成長した植物の細胞では遺伝子発現の際にエピジェネティクスが生じる場合があるが,このときのプラズマ条件の特定を試み,電子密度が10^12-13 /m^3程度,電子温度が2eV以下,プラズマ照射時間が60分程度の場合に遺伝子発現がエピジェネティクスが効率的に生じることが分かった.これら以外のパラーメータでは植物の成長促進がほぼ生じないことから,酸素プラズマによる植物成長促進はエピジェネティックな遺伝子発現により誘導されると推察される.このとき,マイクロアレイを用いた遺伝子発現網羅的解析によりAT2G,DME,Jmjc等のエピジェネティクスを誘導する遺伝子群が優位に発現しており,5メチルシトシンの生成量が増加していることからDNAメチル化が生じていることが明らかとなった.また,エクスパンシンやシャペロン等の遺伝子も発現することから,細胞伸長や遺伝子修復によって植物の成長が促進すると考えられる.
上述のような,エピジェネティクス的な発現を伴う各遺伝子が発現するプラズマのパラメータ(電子密度,電子温度,照射時間)の領域を実験よって見出し,プラズマ照射遺伝子発現マップを作成した.本マップを用いることで,植物の栽培,成長を待たずにプラズマによる成長促進効果がより精密に予測でき,本分野の研究者だけでなくプラズマを農業に応用する生産者等にとっても大きく貢献すると考えられる.
本年度は次年度に行う予定のエピジェネティクス関連遺伝子群の発現量の定量化に対して,定量化する遺伝子の種類,リアルタイムRT-PCR法を用いる際のプライマーの選択・設計を行った.また最適なハウスキーピング遺伝子も特定した.