2019年
Opening-wedge高位脛骨骨切り術前後における加速度計を用いたLateral thrustの経時的変化 single-case study
大分県リハビリテーション医学会誌
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- 巻
- 16
- 号
- 開始ページ
- 12
- 終了ページ
- 20
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 大分県リハビリテーション医学会
近年、変形性膝関節症患者に対するOpening-wedge高位脛骨骨切り術(Opening wedge high tibial osteotomy(OWHTO)は、ロッキングプレートによる強固な固定と人工骨の移植により、早期荷重・早期退院が可能となった一方で、術後早期の歩行バイオメカニクスに関する報告は少ない。本研究の目的は、OWHTO前後における歩行バイオメカニクスの経時的変化を、加速度計を用いて検討することである。対象はOWHTOを施行した一症例である。計測は、術前(Pre)、全荷重開始時(Post)、退院時(Ent)とし、歩行解析はMicroStone社製3軸加速度センサを第3腰椎棘突起レベル(L3)に装着し、Root Mean Square(RMS)、Stride-to-stride Time Variability(STV)、前額面Lissajous Index(LI)を算出し、腓骨頭及び外果よりLateral thrustを算出した。結果は、RMSはPostに増大傾向であったが、EntではPreと同等のレベルまで改善し、STVも同様の傾向を示した。前額面LIは経時的に減少傾向を示した。Lateral thrustは術側及び非術側共にPreとEntに差はなかった。本研究の結果、RMSとSTV、前額面LIは概ね退院時に改善傾向にあったが、Lateral thrustは術前同等のレベルであった。Deieらは、Lateral thrustが術後3ヵ月で改善することを報告している。つまり、早期退院は可能となったがリハビリテーションの継続が必要である。さらに、OWHTO後もLateral thrustが残存することを考慮した。新たな理学療法プログラムを再考する必要がある。(著者抄録)
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2020101723