2017年4月 - 2020年3月
エイコサペンタエン酸による骨格筋を介した抗肥満作用新規メカニズムの解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
魚油は肝臓や脂肪組織に作用し、脂質代謝を促進することで肥満改善に寄与している。その一方で、生体内の最大の代謝組織の一つである骨格筋における魚油の働きはあまりわかっていない。申請者らはこれまでに魚油摂取によりラット骨格筋の脂質代謝能力が向上すること、さらに魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸の一種であるエイコサペンタエン酸(EPA)が核内受容体PPARδを活性化し、脂質代謝亢進に寄与していることを明らかにしている。本研究では、EPAによる脂質代謝改善作用のメカニズムを骨格筋の観点から解明することを目的としている。
今年度はまず、骨格筋における代謝物の変動を網羅的に解析するためにメタボローム解析を行った。ラット筋芽細胞株L6から調製した筋管の培地中に30 μM EPAを添加し、72時間培養した(ポジティブコントロールとしてPPARδ特異的アゴニストである100 nM GW501516を用いた)。その後、メタボライトを抽出し、解析に供した。解析にはHuman Metabolome TechnologiesのC-SCOPEを利用した。主成分分析の結果、コントロール、EPAおよびGW群でそれぞれが異なるグループのプロットを示し、生じた代謝物に群ごとに差があることを示唆した。またHeatMapを作製したところ、3群間で異なる傾向を示し、特にEPA添加においては他二群と比較して、大きな異なりを見せた。エネルギー代謝経路ごとの解析は現在行っている。
次にEPA添加によってマイオカインの産生、脂肪細胞の褐色化が生じているかの確認に取り組んだ。現在、単離筋線維を培養した培地での白色脂肪前駆細胞株である3T3L1細胞の培養を行っている。筋線維用の培地では脂肪細胞の分化が誘導されないため、現在は筋線維の培養ができ、脂肪細胞の分化を促すことが可能な培地を模索している。
今年度はまず、骨格筋における代謝物の変動を網羅的に解析するためにメタボローム解析を行った。ラット筋芽細胞株L6から調製した筋管の培地中に30 μM EPAを添加し、72時間培養した(ポジティブコントロールとしてPPARδ特異的アゴニストである100 nM GW501516を用いた)。その後、メタボライトを抽出し、解析に供した。解析にはHuman Metabolome TechnologiesのC-SCOPEを利用した。主成分分析の結果、コントロール、EPAおよびGW群でそれぞれが異なるグループのプロットを示し、生じた代謝物に群ごとに差があることを示唆した。またHeatMapを作製したところ、3群間で異なる傾向を示し、特にEPA添加においては他二群と比較して、大きな異なりを見せた。エネルギー代謝経路ごとの解析は現在行っている。
次にEPA添加によってマイオカインの産生、脂肪細胞の褐色化が生じているかの確認に取り組んだ。現在、単離筋線維を培養した培地での白色脂肪前駆細胞株である3T3L1細胞の培養を行っている。筋線維用の培地では脂肪細胞の分化が誘導されないため、現在は筋線維の培養ができ、脂肪細胞の分化を促すことが可能な培地を模索している。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K15272
- 体系的課題番号 : JP17K15272