2000年 - 2001年
MHCクラスIテトラマーを用いた同種移植における拒絶反応の解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽的研究 萌芽的研究
近年、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を特異的に認識するMHCクラスIテトラマー(四量体MHCクラスI/ペプチド複合体)の有用性が明らかになりつつある。本研究では、MHCクラスIテトラマーを作製し、移植拒絶反応におけるCTLのアロ認識反応を解析しようとするもであり、平成13年度には以下の成果が得られた。
1.当初、ペプチドを含まないMHCクラスIテトラマーの作製を試みたが、MHCクラスI分子とβ2ミクログロブリンのみではrefoldしないことが判明した。このことは、今まで報告されていたように、生体内では、MHCクラスI上に常にペプチドを含有していることを示唆する。したがって、アロ認識における拒絶反応にテトラマーを使用することが困難となった。
2.すでに腫瘍特異的ペプチドが同定されているマウス白血病細胞RL♂1に対するCTLを認識するMHCクラスIテトラマーを作製した。MHCクラスIテトラマーは、クローン化したCTLとin vivoにおけるCTLを認識することが明らかとなった。更に、この腫瘍細胞を系統の異なるマウスに免疫し、生じるCTLをペプチドを含むMHCクラスIテトラマーで解析すると、同系でないマウスにおいても同系と同じCTLが生じるという興味ある結果が得られている(論文投稿中)。
3.また、MHCクラスIテトラマーによって、CD8陽性キラー細胞を定量的に、同定することが可能で、現在、行われているELISPOTと比較し検討し、ELISPOT陽性細胞が、腫瘍特異的ペプチドを認識するキラー細胞であることが判明した(論文投稿中)。
1.当初、ペプチドを含まないMHCクラスIテトラマーの作製を試みたが、MHCクラスI分子とβ2ミクログロブリンのみではrefoldしないことが判明した。このことは、今まで報告されていたように、生体内では、MHCクラスI上に常にペプチドを含有していることを示唆する。したがって、アロ認識における拒絶反応にテトラマーを使用することが困難となった。
2.すでに腫瘍特異的ペプチドが同定されているマウス白血病細胞RL♂1に対するCTLを認識するMHCクラスIテトラマーを作製した。MHCクラスIテトラマーは、クローン化したCTLとin vivoにおけるCTLを認識することが明らかとなった。更に、この腫瘍細胞を系統の異なるマウスに免疫し、生じるCTLをペプチドを含むMHCクラスIテトラマーで解析すると、同系でないマウスにおいても同系と同じCTLが生じるという興味ある結果が得られている(論文投稿中)。
3.また、MHCクラスIテトラマーによって、CD8陽性キラー細胞を定量的に、同定することが可能で、現在、行われているELISPOTと比較し検討し、ELISPOT陽性細胞が、腫瘍特異的ペプチドを認識するキラー細胞であることが判明した(論文投稿中)。
- ID情報
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- 課題番号 : 12877180
- 体系的課題番号 : JP12877180