共同研究・競争的資金等の研究課題

2011年4月 - 2012年

プラズマ曝露により半導体表面に誘起される欠陥を高精度で解析する分光測定技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
11J01382
体系的課題番号
JP11J01382
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
1,300,000円
(直接経費)
1,300,000円
資金種別
競争的資金

プラズマエッチング後のシリコン表面における欠陥密度分布のプロファイルは,ウェット処理後に残留する欠陥密度とリセス深さを支配するため,その非破壊測定は重要である.そこでHeプラズマもしくはArプラズマによるダメージをSiウエハに与える実験を行い,欠陥密度分布プロファイルを比較する実験を行った.プラズマ曝露後,希釈フッ化水素酸溶液によりダメージ層を数オングストロームずつ除去し,各除去量に対し分光エリプソメトリー(SE)測定とフォトリフレクタンス分光法(PRS)測定を行い,欠陥分布のプロファイル解析を行った.ダメージ層のSEによる評価においては,光学モデルに「界面層(IL)」を含めるのが良いということが判明しており,その厚さをdILとする.また,PRSの結果の解釈にあたっては,3.4eVに現れるピークの信号強度|△R/R|に注目し,この値が元の値より小さくなるほど欠陥密度が高いと判断できることがわかっている.プラズマ曝露前はdILが小さく|△R/R|が大きく,曝露後はdILが増大し|△R/R|は低下した.ウェットエッチングを行うとdILは小さくなり,|△R/R|は大きくなった.Arの場合,dILが減少するにつれて|△R/R|はプラズマ曝露前の値に接近していく傾向が見られた.これは,欠陥の大部分がSEにおけるILの中に位置していたことを意味する.一方Heの場合は,dIL→0としても欠陥が残留する傾向が得られた.これは,ILよりも深い領域にまで欠陥が分布していたことを意味する.He+イオンは質量が小さく半径が小さいため,Arの場合よりも深い領域に欠陥が生成されたと説明できる.また,両測定手法の特性の違いを議論し,それぞれの手法が検出対象とする構造の対応関係を明らかにした.これらの成果は,デバイス製造現場におけるダメージモニタリングのために有益な知見となることが期待される.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-11J01382
ID情報
  • 課題番号 : 11J01382
  • 体系的課題番号 : JP11J01382

この研究課題の成果一覧

論文

  2

講演・口頭発表等

  4