MISC

1992年10月

機能性精神病とてんかん精神病の陽性症状 幻覚妄想状態で出現する他者の様態

臨床精神医学
  • 井上 有史
  • ,
  • 十一 元三

21
10
開始ページ
1623
終了ページ
1630
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)アークメディア

幻覚妄想状態で出現する他者の様態を操作的に評価することによって,器質性精神病と機能性精神病の陽性症状の症状論的相違を検出することが可能かどうかを,てんかん精神病23例,精神分裂病29例,感情障害・非定型精神病25例を対象に検討した.1級症状は分裂病52%,てんかん精神病39%,その他の4%でみられた.分裂病で出現する他者は,てんかん精神病に比べて,未知性を帯び,日常的な生活範囲から逸脱した,しばしば浮動的な他者である傾向が強かった.分裂病と感情障害・非定型精神病の比較では,この傾向はさらに顕著であった.幻覚妄想状態で出現する他者の様態は,1級症状の有無よりも分裂病とてんかん精神病の相違を際立たせた.てんかん精神病と機能性精神病は陽性症状の内容において鑑別可能である

ID情報
  • ISSN : 0300-032X
  • 医中誌Web ID : 1993167597

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