2020年9月 - 2022年3月
繰り返し使用可能な極限環境反応場を有する物性測定プラットフォームの構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
本研究では、高温・高圧環境を発生し、さらにその場で試料の物性測定を行える材料合成プラットフォームの開発を目指している。当該年度には、高圧発生のためのダイヤモンドアンビル上に、導電性のホウ素ドープダイヤモンドから成る加熱用電極、温度測定用電極、および物性測定用電極を微細加工することに成功した。ホウ素ドープダイヤモンドは機械的・化学的に安定であるため、高温高圧環境でもロバストに動作する。さらに、ダイヤモンドアンビル自体が割れてしまわない限り、洗浄して繰り返し使用できることも示された。
微細加工したダイヤモンドアンビルを用いて、BiS2系超伝導体に対する高温高圧実験を行った。まず、La(O,F)BiS2単結晶に対して、1~2GPaの圧力を印加しながら、700℃まで加熱を行った。その結果、常圧における超伝導転移温度の大幅な上昇が確認された。また、EuFBiS2の原材料の混合粉に対して、3GPaの圧力下で650℃程度の加圧を行うことで、高温高圧環境下での試料合成を行い、その圧力下で超伝導特性も評価した。その結果、過去に報告されているEuFBiS2の高圧下での転移温度を観測することに成功した。これらの結果から、到達温度や圧力は低いものの、実際に高温高圧下での試料の合成およびその場物性測定を行うことができ、進捗は順調であるといえる。
微細加工したダイヤモンドアンビルを用いて、BiS2系超伝導体に対する高温高圧実験を行った。まず、La(O,F)BiS2単結晶に対して、1~2GPaの圧力を印加しながら、700℃まで加熱を行った。その結果、常圧における超伝導転移温度の大幅な上昇が確認された。また、EuFBiS2の原材料の混合粉に対して、3GPaの圧力下で650℃程度の加圧を行うことで、高温高圧環境下での試料合成を行い、その圧力下で超伝導特性も評価した。その結果、過去に報告されているEuFBiS2の高圧下での転移温度を観測することに成功した。これらの結果から、到達温度や圧力は低いものの、実際に高温高圧下での試料の合成およびその場物性測定を行うことができ、進捗は順調であるといえる。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K22420
- 体系的課題番号 : JP20K22420