MISC

2017年6月

使い捨てオムツを用いた尿中ネオニコチノイド系殺虫剤のバイオモニタリング手法の開発と小児への実践応用

日本毒性学会学術年会
  • 上山 純
  • ,
  • 青井 亜里沙
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  • 伊藤 由起
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  • 榎原 毅
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  • 大矢 奈穂子
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  • 加藤 沙耶香
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  • 小栗 朋子
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  • 庄司 直人
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  • 佐藤 博貴
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  • 三宅 美緒
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  • 上島 通浩

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P
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99
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本毒性学会

ネオニコチノイド系殺虫剤(NEO)は農林業や一般家庭で汎用されている殺虫剤であり、ヒトへの曝露状況調査が必要な物質の一つである。ヒトの尿を用いた生物学的モニタリングは、化学物質曝露評価手法の一つとして使用されてきたが、採尿が難しいオムツ着用者を対象とした調査は進んでいない。本研究では、簡便な採尿方法として使い捨て紙オムツを用いた尿中NEO濃度測定法(オムツ法)の確立を目指した。対象物質は6種のNEO (acetamiprid, imidacloprid, thiacloprid, thiamethoxam, clothianidinおよびdinotefuran)、acetamiprid代謝物である<i>N</i>-desmethylacetamipridの計7種類とした。使用済み紙オムツから尿をアセトン抽出し、多孔性珪藻土カラムおよび逆相系固相カラムにて精製した後に液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC-MS/MS)で分離定量分析を行った。既知濃度尿のオムツへの添加実験によってNEOの絶対回収率は41から100%と算出された。検量線はいずれもr<sup>2</sup> = 0.988以上と良好な直線性を示した(濃度範囲1.25-20 µg/L)。日内変動および日間変動の相対標準偏差(%RSD)は、それぞれ3.3-12.7%および4.3-19.5%であった。検出下限値は0.5 (acetamiprid)、1.9 (imidacloprid)、0.9 (thiacloprid)、2.8 (thiamethoxam)、3.6 (clothianidin)、2.3 (dinotefuran)、0.4 µg/L (<i>N</i>-desmethylacetamiprid)と算出された。50人の3歳児から使用済み紙オムツを収集して分析した結果、検出率は74%のdinotefuranと68%の<i>N</i>-desmethylacetamipridで高く、その他は10% (acetamiprid), 4% (imidacloprid), 2% (thiacloprid), 12% (thiamethoxam), 28% (clothianidin)であった。オムツ法の検出下限値は、尿を直接分析する既報のそれに比べて高いが、使用済み紙オムツからNEOを検出できることが証明された。今後は本測定法を用いて、子どものNEO曝露状況の詳細な調査を進める予定である。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130006582162
CiNii Resolver ID
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000386308974