MISC

2017年6月

妊娠の進行に伴う尿中殺虫剤曝露マーカー濃度の変動についての検討

日本毒性学会学術年会
  • 上島 通浩
  • ,
  • 加藤 沙耶香
  • ,
  • 小栗 朋子
  • ,
  • 庄司 直人
  • ,
  • 大矢 奈穂子
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  • 齋藤 伸治
  • ,
  • 杉浦 真弓
  • ,
  • 榎原 毅
  • ,
  • 伊藤 由起
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  • 上山 純
  • ,
  • 青井 亜里沙
  • ,
  • 山田 泰行
  • ,
  • 冨澤 元博
  • ,
  • 若林 千鶴子
  • ,
  • 宮田 麻衣子

44
0
開始ページ
P
終了ページ
235
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本毒性学会

妊娠中の低用量殺虫剤曝露による児への健康影響リスクを疫学研究で検討する際、一時点の尿中曝露マーカー濃度をもって胎児期の曝露量とみなせるかには議論がある。このため、妊娠中に二回採取(順にT1, T2)した尿中のマーカー濃度を測定した。出生コホート研究「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」への愛知県の参加者で、妊娠20週までにT1採尿を行った者の中から66名(平均31.0±SD5.3歳)を抽出し対象者とした。有機リン(OP)代謝物(4種類のジアルキルリン酸(DAP))、ネオニコチノイド (NN)(アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム(TM)、チアクロプリド、ジノテフラン(DN))は高速液体クロマトグラフタンデム質量分析計で、また、ピレスロイド(PY)代謝物(3-フェノキシ安息香酸(PBA)、トランス型クリサンテマムジカルボン酸、ジクロロビニルジメチルシクロプロパンカルボン酸(DCCA))はガスクロマトグラフ質量分析計により測定した。各物質の検出率(%)は、DAP 60-100、NN 1 -75、PY 37-100で、T1(平均14.2週)、T2(同25.2週)ともほぼ同じであった。検出率が6割以上だったDAP、TM、DN、PBA、DCCAについて、T1、T2の濃度を比較した結果、DAPとNNでは有意差がない一方、PY(PBAとDCCA)については有意にT2>T1であった(Wilcoxonの符号付順位検定)。また、三分位点濃度で3群に分けた場合の2回の測定のカッパ係数は、OP、NNでは0.40以下であったが、PYでは中等度の一致(PBA 0.50、DCCA 0.48)を示した。さらに、DAPは20パーセンタイル値、PBA、DCCA、NNについては30パーセンタイル値をカットオフ濃度として対象者を2群に分けた時のカッパ係数は、それぞれ0.49、0.59、0.64、0.45-0.71であった。すなわち、1回の採尿で曝露が相対的に少ない人を明らかにできること、PYのマーカーはOP、NNに比べ集団の曝露評価の変数として安定していることが示唆された。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130006582080
CiNii Resolver ID
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000242658531