共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

トランスポゾンによる植物のエピゲノムと遺伝子発現の制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K06301
体系的課題番号
JP18K06301
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

アサガオの主要な突然変異原であるTpn1ファミリーのトランスポゾンが関わるエピ変異と花色遺伝子の抑制機構の解明を試みている。
野生型で340コピーあるTpn1ファミリーのトランスポゾンはその殆どが非自律性トランスポゾンであり、転移酵素をコードするTpnA2により転移が制御されていることが示唆されている。そこでまず、転移酵素遺伝子を発現するTpnA2について解析した。すでにトランスポゾンが不活性な野生型と、活性かつトランスポゾンが誘発したエピ変異により花に模様をもつ刷毛目絞変異体について、次世代シーケンサーで調べた結果をもとにTpnA2の内部配列のDNAメチル化を比較検討した。その結果、野生型でも変異体でも内部配列が高度にDNAメチル化されているが、転移酵素遺伝子のプロモーター配列では、野生型の方がよりDNAメチル化レベルが高いことを確認した。つづいて、全ゲノムレベルのヒストン修飾情報について比較検討したところ、変異型でのみ転移酵素遺伝子のプロモーター領域にアセチル化ヒストンが観察できた。以上の結果から、TpnA2にコードされた転移酵素遺伝子は、野生型ではDNAメチル化により発現抑制されていることと、刷毛目絞変異体ではヒストンのアセチル化を伴うDNAの脱メチル化により発現抑制が解除されていることが示唆された。
一方、刷毛目絞に関わる花色遺伝子の抑制機構を調べるために、抑制的なヒストン修飾に関わる遺伝子をゲノム編集で破壊する準備を行った。刷毛目絞変異体を形質転換するための培養条件を検討し、ゲノム編集用のバイナリーベクターの作成に着手した。また、花色遺伝子のプロモーター配列と転写因子の相互作用とエピ変異の関連をクロマチン免疫沈降法で調べるために必要な、タグ付き転写因子を発現するバイナリーベクターを作成している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K06301
ID情報
  • 課題番号 : 18K06301
  • 体系的課題番号 : JP18K06301