2020年3月17日
横光利一と小林秀雄 -創(きず)あるいは創(はじ)まりとしての接点-
横光利一研究
- 巻
- 号
- 第18号
- 開始ページ
- 8
- 終了ページ
- 22
- 出版者・発行元
- 横光利一文学会
本論は、横光利一文学会令和2年度研究集会で行われたシンポジウム「横光利一と小林秀雄」で基調発表した内容に基づいている。その際の質疑応答を踏まえ、大幅に改稿した内容となっている。この二人の文学者を接続させたとき、横光利一から小林秀雄への言及が大変少ないことに気づく。それを重視し、横光が小林を「高邁な批評家」という単一な評価のままに受け止めていたことを論じた。その要因として横光の言語表現の方法を見出している。さらに最終的には「夜の靴」という虚構の言語空間で小林を受け止めている横光を指摘し、横光像という虚構を作った小林を虚構で受け止めたと結んだ。