古谷 毅一郎

生殖医療の発達などによって近年増加している「高齢妊娠」の研究を行っています。高齢妊娠は妊娠高血圧症候群などの重篤な疾患を合併しやすいハイリスク妊娠ですが、これまで殆ど基礎研究が行われていなかった分野です。現在、中高年妊婦における様々な生理学的変化の検証をベースに、妊娠高血圧症候群を中心とした高齢妊娠合併症の発症メカニズムを解明すべく研究を行っています。

2020年から赴任しているりんくう総合医療センターでは、COVID-19が妊娠・分娩に与える影響について、倫理委員会承認の下、臨床研究を行っています。当院では、NICU・感染症内科・助産師・救命センターの協力を得て、感染妊産婦の集学的経腟分娩管理を策定・運用してきました。パンデミックからの2年半で膨大な数の感染妊婦搬送を受け入れ、感染妊婦の経腟分娩管理を安全に行ってきました。我々のスキームが、大都市の三次医療機関でも活用・浸透されより洗練されることにより、今後の感染妊婦経腟分娩と搬送の最適化につながることを期待しています。