2017年4月 - 2020年3月
統合失調症における免疫炎症過程亢進と大脳皮質ニューロンの変化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
統合失調症では、免疫炎症の亢進が認められ、大脳皮質では情報処理を促進する神経律動の形成を担うニューロンに変化が認められる。本研究では、免疫炎症亢進と大脳皮質ニューロン変化の関係を調べるために、免疫炎症と大脳皮質ニューロンの機能を共に制御し得る分子の発現を評価した。その結果、患者の大脳皮質の複数領域において脳内炎症過程を制御する栄養因子Neuregulin-1の受容体で抑制性ニューロンに発現するErbB4の優勢ネガティブ変異体JMaの発現が有意に増加していることが判明した。一方、末梢血液中の免疫炎症物質や聴覚刺激時の律動的神経活動には、健常者と精神病性障害患者の間で有意な差は検出できなかった。
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- 課題番号 : 17H04245
- 体系的課題番号 : JP17H04245