2020年4月 - 2023年3月
弾性体/塑性材料構造の湾曲を用いた平面電子デバイスを糸状に変形させる基盤技術
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
人間に装着することを想定し電子デバイスのフレキシブル化、ストレッチャブル化が進められている。しかしながら、人間の体表に取り付ける場合、装着できることに加え、装着時の快適性を考慮する必要がでてくる。本研究では、人間の慣れ親しんだ形状である衣服に電子デバイスを組み込むことで快適性を備えたウェアラブルデバイスの実現を目座右。衣服に組み込める形状として糸状のデバイスの開発が近年提唱されている。しかしながらセンサ、バッテリ、アクチュエータ、太陽電池、発光素子など多彩な電子デバイスを包括的に糸状にする技術はない。本研究では、平面形状の電子デバイスを弾性体/塑性材料を組み合わせることで糸状に変形させる技術を創出する。これまでに、弾性体の厚さ、ヤング率、幅、長さ、薄膜の厚さを変え、形状の変化を定性的に調べた。実験から得られた傾向から、弾性体および薄膜のパラメータと最終的な形状を結びつけるべき乗則の予測をたてることに成功した。弾性体に関して引張試験機を使いヤング率を計測するとともに、用いる材料に関して弾性体材料の破断強度や薄膜との密着性を向上させることに成功した。また、断面の顕微鏡写真に加え、X線CTを使うことにより形状を非破壊で10マイクロメートルの解像度で観察することに成功した。X線CTでの観察により糸状の構造を曲げたときに局所的に応力が集中する箇所があることを確認した。使用する材料および構造の計測手法を確立することができた。
- ID情報
-
- 課題番号 : 20H02216
- 体系的課題番号 : JP20H02216