水素チャージ直後のTa-Zr合金の水素脆化挙動
日本金属学会2017年秋期(第161回)講演大会
- ,
- ,
- ,
- ,
- 開催年月日
- 2017年9月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 札幌
- 国・地域
- 日本
使用済核燃料再処理施設では、異種金属の機器を接続するためステンレス/タンタル(Ta)/ジルコニウム(Zr)の異材接合継ぎ手が使われている。これらの材料の内、TaとZrは水素ぜい化を生じやすい事が知られている。一方、接合部ではTaとZrは合金化しており、どちらの水素ぜい化特性に強く影響されるか明らかでは無い。そこで本研究では、Ta-Zr合金の水素ぜい化挙動を明らかにすることを目的とし、0.9\%NaCl水溶液中で電気化学的手法により水素を吸収させたTa-50at\%Zr合金について吸収された水素の状態、合金の機械的特性の変化、および破壊挙動を検討した。X線回折により水素吸収後合金中にZr水素化物が生成していることが確認された。また、Ta-Zr合金は引張試験で水素吸収による延性低下は示さなかった。一方で、引張試験後の電子顕微鏡観察により試験片表面ではZr水素化物に起因するぜい性割れが観察された。これは、表面でZrに水素が優先的に吸収され、内部まで水素が到達難にくいことを示すものであると考えられる。また、Ta-Zr合金はZrの水素ぜい化特性により強い影響を受けることを示唆すると考えられる。