基本情報

所属
立教大学 文学研究科 史学専攻博士後期課程
学位
修士(文学)(2019年3月 立教大学)

連絡先
a-kouheirikkyo.ac.jp
J-GLOBAL ID
202101019952789097
researchmap会員ID
R000018268

中世ヨーロッパにおける知識の在り方について関心を持っています。

近年では、とくにカロリング朝期における世俗知と宗教知の関係性について、おもに2つの観点から研究しています。

 
①欄外註(marginalia)

修道院附属学校などで当時読まれていた学問的著作には、写本の欄外への書き込みがよく見られます。古代から継承されたテクストに時折見られる異教的な要素に対面したとき、修道士たちは本文の周囲に註釈を施すことによって、その内容をキリスト教的に解釈し直していました。これらの欄外註は本文と一緒にまた別の写本に継承されることがよくあり、様々な註釈の積み重なった写本の欄外は、ある意味「知識の貯蔵庫」とも言える場所となっていました。

②学問・哲学の分類(divisio philosophiae)

現代日本人がよく学問を文系・理系に分けて考えるように、中世にも歴とした学問の分類理論が存在しています。欄外註と同様に、当時の写本には学問の分類を図示した様々な「樹形図」がしばしば描かれています。この図はときにテクストの内容を逸脱し、図それ自体が独自の理論を展開しているのです。


博士論文では、初期中世における知の聖俗をめぐる議論において、このような本文テクスト以外の要素(パラテクスト)が詰め込まれた“場”としての余白ないしは欄外が果たしていた役割について検討したいと考えています。

 

それに関連して、パラテクストは従来の校訂書では省略されることが多いため、TEIなど人文情報学の技術を用いた新たな校訂史料の作成に興味があります。複雑な樹形図や、写本を縦横無尽に埋め尽くす註釈を合理的にデータ化する方法を模索中です。 

 


死の呪いは魔除けのお守り?

『マージナリアは何を語るのか?』補遺


書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  6

所属学協会

  2

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1