共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

敗血症のクリニカルシナリオ:感染臓器障害症候群の再分類

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K19376
体系的課題番号
JP19K19376
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

敗血症とは感染+臓器障害の症候群であり、あらゆる場面で遭遇する致死的疾患群である。米国・欧州集中治療学会などでは敗血症は単一疾患のように治療速度 優先の単一の治療ストラテジーで対応するように推奨している。しかし、敗血症は他の救急疾患に比べて非常に複雑である。具体的には敗血症の構成因子は原因菌、感染臓器と障害臓器、背景に分けて考えることができる。原因菌は細菌やウイルス、真菌がある。これらを一塊のものとして捉えて良いのだろうか。その ため、研究者は臨床家が治療応用できるように単一で捉えてきた敗血症を臨床応用しやすいと言う視点で組分けすることを目的とした。 研究者がこれまで研究・論文発表してき内容は以下である。真菌による敗血症患者のサブグループ、感染部位ごとによる敗血症の再分類について検討した。ま た、ほぼ全例に広域抗生剤を 用いているにも関わらず、感染部位を間違えると予後が悪いことを示した。また、それに加えて、SIRS、qSOFAによる予測能の違い、敗血症の定義の違いが与える影響も調べた。更に血糖値による予後の違い、細菌の毒性度による違い、血液培養陽性による影響、糖尿病の既往の影響、体温の影響、重症呼吸不全、凝固障害、フレイル、BMIの影響などを行った。また、治療薬の効果と効果が出やすい人の特徴も調べた。敗血症のガイドラインも変更があったことから、それらの効果もそれぞれ調べている。これらの結果は均一化した速度一辺倒の診療への警鐘を鳴らすランドマーク研究や今後の診療の一助となるものが多い。近年はCOVID-19パンデ ミックが大きな問題となっている。ウイルス感染は研究計画の時点からフォーカスを置いていた敗血症の原因の一つである。そのアウトブレイク報告、症例報告、マスクの限界の研究も行った。 更に研究を追加し、結果を統合することで、テーラーメード医療に近づいていくことが出来ると考えている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K19376
ID情報
  • 課題番号 : 19K19376
  • 体系的課題番号 : JP19K19376