共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

グンバイムシの多様化と分布形成に地理的隔離・寄主転換・植物の多様化が与えた影響

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員DC1

課題番号
20J20483
体系的課題番号
JP20J20483
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,100,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
0円

令和3年度は,論文と短報が査読付き学術雑誌に計17本掲載・受理され,国内の学会発表は2回行った,さらに、現在6本の論文が投稿中である。COVID-19の感染対策を徹底して当初の予定通り国内の野外調査を実施できた.野外調査で得られた数千個体のサンプルを用い,グンバイムシ科、マキバサシガメ科、クヌギカメムシ科、カメムシ科の形態比較を中心にカメムシ目の分類学的研究を勢力的に進めた.グンバイムシ科については,ミトコンドリアDNAと核DNAの塩基配列によるジェノタイピングや系統解析に取り組んだ。グンバイムシ科の遺伝子解析は先行研究に乏しく,プライマーの開発や実験条件の絞り込みに時間を要した.しかし,研究計画の中心に据えていた種はDNAの抽出が完了し,ミトコンドリアDNAと核DNAの幾つかの領域は解析が進展した.ツツジグンバイ属では形態情報と分子情報を比較したことで,興味深い知見がもたらされた.化石種との比較形態や,東南アジア諸国のサンプルを用いた国際共同研究など,新たな研究の展開や人脈の開拓ができた.海外の研究機関や調査地には自ら行ける状況ではなかったが,現状に即した効率的な計画を立て,課題達成に向けて着実な研究活動を実施できた.令和3年度の代表的な研究成果は以下の通りである.
①ツツジグンバイ属のクスノキ科植物に寄生する種の分類:形態形質の比較とDNAバーコーディングにより,3未記載種を含む計10種の本属が日本のクスノキ科植物に寄生することが判明した.これら10種は地域と環境ごとに棲み分けており,とくにタブノキには各地域に固有の6種が存在する.論文は現在投稿中である.
②アシブトマキバサシガメ亜科の分類:有用天敵として期待されながらも,分類学的研究が長らく停滞していた日本産マキバサシガメ科であったが,西日本を中心に複数の未記録種が発見された.成果の一部は2本の論文として公表済みである.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20J20483
ID情報
  • 課題番号 : 20J20483
  • 体系的課題番号 : JP20J20483

この研究課題の成果一覧

論文

  27

MISC

  13

講演・口頭発表等

  6