講演・口頭発表等

2018年

沈み込み帯の温度圧力条件における 芳香族化合物中の窒素の挙動

日本地球化学会年会要旨集
  • 篠崎 彩子
  • ,
  • 三村 耕一
  • ,
  • 西田 民人

記述言語
日本語
会議種別

<p>沈み込み帯における堆積物中の有機物の化学組成と分子構造の変化を明らかにするため、有機物の主要構成要素である芳香族化合物、特に芳香環中に窒素が含まれるヘテロ芳香族化合物に着目して化学反応の起きる温度圧力条件と反応の詳細、反応に伴う窒素の挙動を調べた。出発物質にはフタラジン、1,5-ナフチリジン (C8H6N2)を用い、ピストンシリンダー型高圧発生装置を用いて0.5 GPaから1.5 GPaで最高325 ℃までの実験を行った。試料は常温常圧下に回収して有機元素分析、GC−FID、GC−MS、MALDI−TOF/MSを用いて評価した。フタラジンの場合は250-275℃で芳香環の開裂と窒素の放出を伴う重合反応が起きたのに対し、1,5ナフチリジンの場合には325℃での窒素の放出を伴わない二量化、三量化が見られた。窒素が芳香環内でN-N結合をもつ場合は深さ20-80 km程度で放出されるが、窒素が芳香環内に孤立して存在している場合は、より深部まで有機物が窒素を含んだまま沈み込みうる。</p>

リンク情報
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130007520501