2013年3月
George und Hofmannsthal revisited : 詩「ふたり」と『盟約の星』
詩・言語
- 巻
- 78
- 号
- 開始ページ
- 37
- 終了ページ
- 53
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 東京大学大学院ドイツ語ドイツ文学研究会
世紀転換期ウィーン、ここを舞台にした二大詩人シュテファン・ゲオルゲとフーゴー・フォン・ホーフマンスタールの出会いと別れ、この華あるエピソードはこれまでにも幾度となく好んで語られてきた。しかし、のちに哲学者アドルノが非常時に朋友ベンヤミンと意見交換しながらベーリンガー編『往復書簡集 ゲオルゲ/ホーフマンスタール』について書評を書いた時にも当然オーバーラップしたであろうこの友情にも、ヴェルレーヌとランボーという手本があったことはあまり知られていない。本論はゲオルゲとホーフマンスタールの<友情>がそもそも23歳と17歳の青年によって、ほかならぬ演劇都市ウィーンで計画され、演出された文芸的事件であり、ブルク劇場の演目のように、さまざまな解釈者の手をわたって繰り返し上演されてきた今や古典的レパートリーであるという認識にたって、あらためて二人の出会いと別れを追想しつつ、双方の詩論的詩作品のなかにもその予見と残照を見いだそうというものである。詩論的詩作品としてホーフマンスタールから詩「ふたり」(1895?)と「預言者」(1891)を、ゲオルゲから詩集『盟約の星』(1914)所収「私は一人であり二人である」と「神の道が私たちに広げられてある」を選び、分析・解釈した。それぞれの二作品がそのつくりと内容において<対>を志向していることを具体的に指摘しつつ、二つの<対>がつくる詩的運動の相違を比較し、それを<詩と社会>という観点から説明した。(ドイツ語要約あり)
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/120005323052
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00339492
- ID情報
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- ISSN : 0912-0041
- CiNii Articles ID : 120005323052
- CiNii Books ID : AN00339492