2021年4月 - 2023年3月
膜電位応答型de novo設計αヘリックスペプチドチャネルの創製と機能の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は天然の発動分子と言える電位依存性チャネルタンパク質に倣った生体発動分子として、電位依存的に開閉してイオンや低分子を透過できるde novo設計ペプチドチャネルを開発し、その構造ダイナミクスを分子動力学計算と一分子チャネル電流測定から明らかにすることを目的とする。2021年度は、事前検討で得られた電位変化をトリガーとしてペプチド会合数を変化させながら開閉するde novo設計αヘリックスペプチドチャネルについて、分子動力学計算を実施した。
計算システムとして、これまでの電流測定から予測されるペプチド10~13量体のバレル構造モデルを作成し、脂質二重膜に挿入した初期構造を準備した。これらのシステムについて、構造サンプリングの効率を上げるために高温での全原子分子動力学計算を行った。膜電位の効果を検討するため、外部電場なし、正・負の外部電場ありの条件で各1マイクロ秒の計算結果の比較をしたところ、電場なし・負の電場ありの条件では初期構造よりも少ない会合数のチャネルへの構造変化が起こるのに対し、正の外部電場のみ大きなポアを安定化する効果があることが示唆された。これは電流測定において正の膜電位において大きなポア形成が観測される結果と一致し、ペプチドの膜外領域の正電荷の寄与があると考えられた。これらの研究結果について学会発表を行い、論文投稿の準備を開始した。
次年度以降、計算結果から予測された構造変化メカニズムを基に膜外領域を含めた配列設計と電流測定実験を行っていくことで、計算の検証およびチャネルの会合数変化のコントロールが可能になると期待される。
計算システムとして、これまでの電流測定から予測されるペプチド10~13量体のバレル構造モデルを作成し、脂質二重膜に挿入した初期構造を準備した。これらのシステムについて、構造サンプリングの効率を上げるために高温での全原子分子動力学計算を行った。膜電位の効果を検討するため、外部電場なし、正・負の外部電場ありの条件で各1マイクロ秒の計算結果の比較をしたところ、電場なし・負の電場ありの条件では初期構造よりも少ない会合数のチャネルへの構造変化が起こるのに対し、正の外部電場のみ大きなポアを安定化する効果があることが示唆された。これは電流測定において正の膜電位において大きなポア形成が観測される結果と一致し、ペプチドの膜外領域の正電荷の寄与があると考えられた。これらの研究結果について学会発表を行い、論文投稿の準備を開始した。
次年度以降、計算結果から予測された構造変化メカニズムを基に膜外領域を含めた配列設計と電流測定実験を行っていくことで、計算の検証およびチャネルの会合数変化のコントロールが可能になると期待される。
- ID情報
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- 課題番号 : 21H00412
- 体系的課題番号 : JP21H00412