2013年
3歳児の子ども集団の「規範意識の芽生え」における保育者の役割 : 非言語的応答関係による「居場所」生成
保育学研究
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- 巻
- 515
- 号
- 2
- 開始ページ
- 223
- 終了ページ
- 234
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.20617/reccej.51.2_223
- 出版者・発行元
- 日本保育学会
本研究の目的は,非言語的応答関係に注目しながら,3歳児の規範意識芽生えとは何か,また子ども集団の規範意識の生成過程における保育者の役割は何かを明らかにすることである。そのために,保育者Aの保育実践を1年間観察し,ビデオ記録をした。また,保育者の記述した保育記録を収集した。これらの記録から事例を記述し,「身体的同調」及び「ノリ」の概念を用いて分析を行った。その結果,第一に保育者は「身体的同調」が6つの時期を経て子ども集団に広がるようにしていた。そして,最終的には「身体的同調」が積み重ねられ子ども集団の行動を規定する「ノリ」となり,子どもたちがお互いを肯定的に受け止めあう「居場所」が生成する過程が見出された。また,「居場所」では,子どもたちが自発的に秩序ある行動を取るようになる様子が示された。第二に,「居場所」生成の条件として,保育者が子どもを肯定的に捉える態度が必要と考えられた。その肯定的な態度が「身体的同調」によって子ども同士の間に広がり,「居場所」生成が可能となることが指摘された。これらのことから,幼児教育における「幼児期の規範意識の芽生え」とは,子どもの「居場所」生成を意味すると考えられた。
- リンク情報
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- DOI
- https://doi.org/10.20617/reccej.51.2_223
- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40019917409
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10378027
- ID情報
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- DOI : 10.20617/reccej.51.2_223
- ISSN : 1340-9808
- CiNii Articles ID : 40019917409
- CiNii Books ID : AN10378027