共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

共役π電子系ニトリドボレートを用いた次世代二次電池のための正極材料の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究

課題番号
21K14399
体系的課題番号
JP21K14399
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,550,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
1,050,000円
資金種別
競争的資金

主な成果は次の3点である。
[1] Li3BN2の相制御に成功: Li3BN2にはルチル型、アナターゼ型、単斜晶の多形がある。原料や合成条件、合成環境の制御によるこれらの作り分けに成功した。アナターゼ型と単斜晶についてはXRDレベルで単相試料が得られた。合成温度と生成相の関係は、第一原理計算による全エネルギーの大小関係で理解された。なお、物理気相蒸着ではLi3BN2の形成は認められなかった。
[2] Li | LiBH4 | Li3BN2 全固体セルの電気化学特性を調査: XRDレベルで単相なアナターゼ型Li3BN2と炭素およびLiBH4を混合して正極合剤を作製した。この正極合剤は熱処理前後でXRDパターンに変化が認められなかったため、アナターゼ型Li3BN2と炭素およびLiBH4は化学的に両立すると示唆された。Li | LiBH4 | Li3BN2 セルについてサイクリックボルタンメトリー測定したところ、Li脱離によると考えられる小さなピークが2V程度で認められたが、Li挿入に対応するピークは認められなかった。Li脱離ピークを示した試料はXRDにより還元膨張が認められたため、アナターゼ型Li3BN2はLi欠損状態でも直ちに分解されないと示唆された。Li挿入が認められなかった原因は不明である。なお、液体電解質を用いた場合もLi挿入は認められなかった。
[3] 第一原理計算によりドーパント存在下での電子構造を調査: 共役π電子系Li3BN2はドナーまたはアクセプター添加により高い電子伝導性を示すと期待される。そこでk、カチオンおよびアニオンを添加した7種の系について電子状態を理論計算した。F添加した系のみ電子伝導性が期待できなかったが、他の系ではフェルミ準位が伝導帯または価電子帯に縮退し、高い電子伝導が期待できる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K14399
ID情報
  • 課題番号 : 21K14399
  • 体系的課題番号 : JP21K14399

この研究課題の成果一覧

講演・口頭発表等

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