共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

縦断的解析による注意欠如・多動性障害発症の予測因子の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

課題番号
20H03938
体系的番号
JP20H03938
配分額
(総額)
15,210,000円
(直接経費)
11,700,000円
(間接経費)
3,510,000円

注意欠如・多動性障害(ADHD)および自閉スペクトラム症(ASD)などの小児疾患が増加しているが、ADHDの診断は小学校就学後に行われることが多い。しかしながら、より早期に疾患リスクを把握することが可能ならば、予防または早期介入が可能と期待される。我々は子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)の追加調査として、宮城県内で出生後から小児の行動特徴に着目した縦断的調査を継続しており、3歳半で保育所・幼稚園の担任教員の協力を得て注意欠如・多動(ADH)傾向などの問題行動に関する行動特徴スコアを収集した。その対象児が就学期を迎え、ADHDの診断情報が収集可能となったことから、ADHDおよびASD発症と、3歳半の行動特徴との関連性を明らかにする解析を目指した。両疾患の発症と関連する交絡要因として、母(喫煙・飲酒習慣、在胎期間、授乳期間、母IQ、収入などの社会経済的条件、妊娠中母体血および臍帯血オメガ3系脂肪酸であるEPA/DHAなど)および児(体格指標、発達指数、知能指数、受動喫煙など)について、エコチル調査のデータベースと連結することでデータを収集する。
ADHDの疾患情報については、当初、母記載の自記式調査票により収集された小児医療機関名を確認し、診療簿に基づいて疾患情報を再収集する計画であったものの、2020年1月上旬に発覚した新型コロナ感染症の蔓延が収束せず、特に2021 年はオミクロン株の蔓延で小児の感染者数が急増した。その影響で小児科医療分野における疫学調査は、引き続き中断・延期せざるを得ず、医療機関での調査を進めることができなかった。このため注意欠如・多動症に関わる疾患情報は、エコチル調査で実施されている母による自記式調査票の疾患情報に依拠し解析することに変更し、調査を継続している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H03938
ID情報
  • 課題番号 : 20H03938
  • 体系的番号 : JP20H03938