論文

査読有り
2018年12月

熱重量・示差熱同時測定による光重合型レジンの熱収縮挙動

昭和学士会雑誌
  • 本多 英彦
  • ,
  • 小林 広和
  • ,
  • 山本 雅人
  • ,
  • 小倉 浩
  • ,
  • 稲垣 昌博
  • ,
  • 片岡 有
  • ,
  • 唐川 亜希子
  • ,
  • 福島 美和子

78
6
開始ページ
656
終了ページ
662
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14930/jshowaunivsoc.78.656
出版者・発行元
昭和大学学士会

光重合型コンポジットレジンの構成成分であるBisphenol A Glycidyl Methacrylate(Bis-GMA)とTriethylene glycol dimethacrylate(TEGDMA)を30mol%と70mol%の比率になるよう混合し、Camphorquinone、2-(Dimethylamino)ethyl Methacrylate、Butylated hydroxytolueneをそれぞれ1.0wt%添加した試料を作成した。この試料を歯科用LED照射器(照射光波長420-480nm)により照射時間60秒で硬化させ、熱重量・示差熱同時測定(Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis、TG-DTA)により熱挙動を測定した。また、試料の状態をデジタルカメラにより撮影し、TG-DTAデータと比較した。TG-DTA測定は、温度が1時間に100℃上昇するよう設定し、窒素雰囲気中で行った。TGのデータからは昇温中の試料の質量変動がわかり、DTAデータからは試料温度の設定温度に対する追随具合が測定される。試料の熱容量が変化したり吸熱発熱現象がおきると、DTAデータに反映される。TGデータを温度に対してプロットしたTG曲線も、DTAデータを温度に対してプロットしたDTA曲線も、変化の傾向は3つの温度域で異なることが分かった。270℃から350℃までを領域I、350℃から395℃までを領域II、395℃から測定終了温度である500℃までを領域IIIとして、それぞれの温度域で撮影された画像との関連を調べた。領域Iでは試料の色が黒色に変化する現象が観察された。黒色化は炭化によって起きていると考えられ、DTA曲線の変化は炭化を伴う熱分解によるものと考えられる。領域IIでは、概形を維持したままで熱収縮する現象が観測された。概形が維持された収縮であるので、残留応力による収縮であると考えられる。領域IIIでも熱収縮現象は続いたが、試料表面も崩壊し、大きく形状が変化していた。残留応力の測定には、光弾性素材やストレインゲージを用いる方法が一般的であるが、熱収縮現象の理解に、熱測定が有効であることを明らかにした。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14930/jshowaunivsoc.78.656
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201902290995823825
Jamas Url
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20190626160012&url=http%3A%2F%2Fci.nii.ac.jp%2Fnaid%2F130007670059&type=CiNii&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00003_3.gif
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https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20190626160012&url=http%3A%2F%2Fid.nii.ac.jp%2F1670%2F00002968%2F&type=%8F%BA%98a%91%E5%8Aw%81F%8F%BA%98a%91%E5%8Aw%8Aw%8Fp%8B%C6%90%D1%83%8A%83%7C%83W%83g%83%8A%81uLilitory%81v&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F80086_3.gif
ID情報
  • DOI : 10.14930/jshowaunivsoc.78.656
  • ISSN : 2187-719X
  • eISSN : 2188-529X
  • 医中誌Web ID : 2019311814
  • J-Global ID : 201902290995823825

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