共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

ILC2の疲弊が惹起する代謝制御異常:敗血症性ミオパチーとPD-L1エキソソーム

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K09069
体系的課題番号
JP21K09069
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

2型自然リンパ球(Group 2 Innate Lymphoid Cell; ILC2)はTh2サイトカインを産生し、生体防御や組織修復など恒常性維持に重要な役割を果たす組織滞在型の自然免疫系細胞である。2020年に骨格筋随伴ILC2にIL-13を介したミトコンドリア活性化機能がある可能性がわかり、生理的状態での筋恒常性維持機能の理解は進んできているが、敗血症など炎症性疾患でのILC2の役割は不明である。敗血症性ミオパチー(骨格筋の萎縮や筋力低下)は、単なる廃用性萎縮ではなく、過剰な炎症の波及やエネルギー代謝異常をトリガーとしたミトコンドリア機能不全が背景にあり、ICU関連筋力低下(ICU-Acquired Weakness; ICU-AW)の主な原因病態である。本研究の目的は、敗血症性ミオパチーにおけるILC2のミトコンドリア機能不全への関与を解明することである。
初年度には、糞便懸濁液(Cecal Slurry)を腹腔内に投与することで腹膜炎を誘導し、敗血症性ミオパチーモデルを確立した。さらに筋力低下を確認した。そして、同モデルの骨格筋随伴ILC2の動態変化をフローサイトメーターを用いて解析した。
今後は結果を詳細に解析するとともに、制御異常とそのメカニズムを解明していく。さらに、骨格筋由来PD-L1発現エキソソームによる骨格筋ILC2の疲弊( IL-13産生能低下)が引き起こされる、という仮説を検証していく。
骨格筋における免疫代謝反応の新規プレーヤーであるILC2に注目した本研究は、ICU-AWの病態理解/治療戦略の確立に大きく貢献することが期待される。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K09069
ID情報
  • 課題番号 : 21K09069
  • 体系的課題番号 : JP21K09069

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