共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

洪水防御と地域・都市再生に向けた河川・都市計画の統合型計画技術の体系化と実装化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K04874
体系的課題番号
JP20K04874
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

2021年度は、3つの大きな目的のうち,①河川・都市計画の連携事業における整備プロセス・事業スキームの特徴と連携阻害要因の特定,②海外先進事例における整備プロセス・事業スキームの特徴と日本との比較考察にかかわる研究を実施した.①については,「ふるさとの川整備事業(1982~2008)」の初期事業(116河川)を対象に,治水手法の種類と傾向を把握し,形成されたかわまち空間の特徴を分析することで治水手法とかわまち空間の関係性について考察した.これらは,データを精査の上,今後学会への発表を予定している.また②については,コロナの影響で海外調査自体は実施できなかったものの,すでに実施済みの事例を対象に,文献調査を進めることで,研究を実施した.具体的には,ドイツにおける河川行政と都市計画行政の縦割りを超えた連携方策に着目し,河川管理者である州が都市計画行政を担う市町村と連携して治水事業を実施するバイエルン州と,都市計画行政を担当する市町村が治水事業も実施するノルトライン=ヴェストファーレン州に注目し,具
体的な整備事例をもとに, 両者のデザインプロセスを明らかにした.また優れた流域治水事例としてオーストリアのマッハラントダムプロジェクトに注目し,7 つの自治体の協働によるドナウ川沿川の約54km 区間のプロジェクト詳細を明らかにした上で,大きな特徴として,まちの特性に応じた洪水防御対策,コミュニティや生業を維持しながら大規模な遊水エリアを確保する集落移転,地域の魅力を高める柔軟な土地利用の3 点を指摘し,市町村が主体的に計画に関われる仕組みを含め,我が国の流域治水に関わる政策の推進・実践に向けた留意事項を指摘した.これらは査読論文への投稿および学会発表を実施している.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K04874
ID情報
  • 課題番号 : 20K04874
  • 体系的課題番号 : JP20K04874