共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

ヒト心筋生検検体を用いたRNA-Seqによる心臓サルコイドーシスの病態解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K08554
体系的課題番号
JP19K08554
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究の目的は、心臓サルコイドーシスの心筋における転写産物(トランスクリプトーム)と、HLAタイピングに着目したゲノムシークエンスの解析を行い、心臓サルコイドーシスの病態を明らかにすることである。現在までに集積したサルコイドーシス症例を、心臓病変がある群と心臓病変がない群に群分けをしてRNA-seqを行なった。
すでに確立していた心筋生検検体からのmRNA抽出、ライブラリ作成、シークエンスの流れを用いで、十分なRNAリードデータが得られた。検体の中で2検体はPCAプロットにより外れ値と判断され、396個のDEGsが同定された。
さらにパスウェイ解析を行ったところ、心臓病変をもつサルコイドーシス症例において心臓発生に関するBMPシグナルとJAK-STATを介したIL-5シグナルに関するパスウェイの活性化が認められた。
難治性の皮膚サルコイドーシスに対してJAK2阻害剤を使用して皮膚症状の改善を認めたという報告があり、本パスウェイは心臓サルコイドーシスの病態にも関与している可能性、ひいては難治性心臓サルコイドーシスの治療に応用できる可能性があると考えた。
血液から抽出したDNAに対して次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析を予定していたが、今回のRNA-seqにおいて興味深いパスウェイが同定されたため、まずパラフィン切片に包埋されている検体に対してBMP、JAK-STATの免疫染色を行う予定としている。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K08554
ID情報
  • 課題番号 : 19K08554
  • 体系的課題番号 : JP19K08554