共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

遺伝性出血性末梢血管拡張症の統合的な病態解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K08272
体系的課題番号
JP20K08272
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

過去に当センターで遺伝性出血性末梢血管拡張症の患者より検出した遺伝子変異と論文報告のあった同疾患患者の遺伝子変異について、変異プラスミドの作成と実験解析に向いたミスセンス変異のACVRL1変異及び野生型ACVRL1について、過去の論文を参考にマウス線維芽細胞株(本来ACVRL1の発現を持たないNIH-3T3細胞)にプラスミドを用いて導入した。
野生型を導入した細胞ではACVRL1をBMP9/10により刺激することで、その下流に位置する活性型(リン酸化)SMAD1/5といった蛋白の出現(ウエスタンブロットで解析)や、下流に位置する転写因子の一群の発現の亢進(ルシフェラーゼアッセイで解析)が見られることを確認した。一方で、変異型を導入した細胞の多くは下流の活性型(リン酸化)SMAD1/5、転写因子の発現が抑制されていたが、一部の変異では抑制されておらず、実際の症状を生じている患者との間にdiscrepancyが認められた。
また変異型を導入した細胞での免疫染色では、多くの変異では野生型ACVRL1と大きな変化は確認出来なかったが、一部の変異(膜通過部分の変異)においては細胞表面に存在するはずのACVRL1が消失していることが確認出来た。これらの細胞実験において生じる現象の差違が、実際の患者さんの症状の重篤さや発症様式に関連するか、今後検討を加えていく予定である。また合わせてゼブラフィッシュに変異型ACVRL1を導入し、実際の生体内で血管形成が変化していくかどうかを順次確認を加えていく予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K08272
ID情報
  • 課題番号 : 20K08272
  • 体系的課題番号 : JP20K08272