当院の医療福祉相談部門では2013年10月よりソーシャルワーカー(Social Worker:SW)の脳神経外科への専任SW制を導入し、2014年9月からは専任制に加え積極的早期介入を開始、2015年4月からは専任SWを1名から2名に増員、さらに2015年11月からは脳神経外科緊急入院患者全員への積極的早期介入を開始した。こうした介入により、SW早期介入率は26.7%から51.6%へ改善し、脳神経外科緊急入院患者全体の介入率も66.7%から74.8%に改善した。介入日数は9.4日から4.6日と短縮し、入院日数も46.6日から44.4日へ減少した。また、現場へのインタビュー調査では、(1)担当診療科における全入院患者を把握している、(2)窓口がひとつになった、(3)常駐体制になった、(4)退院調整ラウンド(Discharge Management Round:DMR)での情報共有に質的変化があった、それらによって(5)他職種・他業務理解、連携力が強まり、連絡・相談・調整がしやすくなった、などの改善点が挙げられた反面、(1)入院期間の短縮や退院調整について、(2)DMRの方法について、(3)専任SWのマンパワーについて、(4)他職種から専任SWへの連絡・相談について、などに課題も抽出された。SWが早期介入し発症初期段階に生じた問題に早期に取り組むことで、患者・家族の不安軽減が図れるとともに早期の課題解決につながり、患者が安心して治療を受けられる環境が提供できると考えている。今回入院日数の短縮という結果が示せたことで、SWの早期介入の有用性が実証され、今後こうした取り組みを他診療科領域でも、個々の疾患特性を踏まえた独自の方法を検討していく必要があると考える。(著者抄録)