共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

重症薬疹の病態解明と新規バイオマーカーの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
21K16205
体系的課題番号
JP21K16205
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)は、広範囲のびらん
を特徴とする、重篤な薬疹である。SJS/TENでは、表皮細胞がアポトーシスやネクロプトーシスというタイプの細胞死を起こす。このアポトーシス経路とネクロプトーシス経路は、インフラマゾーム経路と互いに関与し合う。インフラマゾーム経路は、caspase 1が活性化することで、IL-1βやIL-18を細胞外へ放出されることで周囲に炎症を起こす。またcaspase 1の活性化によりgasdermin Dが切断され活性化し、パイロトーシスという細胞死を引き起こす。
本研究は、SJS/TENの病態にインフラマゾーム経路が関与するかを解明する。SJS/TENの
病態を新たに解明することで、早期診断、重症度予測のための、新規バイオマーカーの開発
を目指す。そのために①細胞モデルを用いた解析、②multiplex assayを用いた網羅的解析を計画している。
本年度はまず、SJS/TENの病変部の表皮細胞で実際にパイロトーシスが起きているかどうか解析した。病変部の表皮細胞で、活性型gasdermin Dが検出されたことから、SJS/TENの病変部でパイロトーシスが起きていることを確認できた。次に、インフラマゾーム経路がアポトーシス、ネクロプトーシスの経路と相互に作用しあって起きているのか、または独立して起きているかなどを解析するために、SJS/TENのモデル細胞の作製を行った。不死化表皮細胞であるHaCaT細胞にP2X7受容体刺激とFPR1刺激を加えることで細胞死を誘導できるモデル細胞の作製に成功した。今後はこのモデル細胞を用いてインフラマゾーム経路の活性化やその他の経路との関連の解析を行う予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K16205
ID情報
  • 課題番号 : 21K16205
  • 体系的課題番号 : JP21K16205