論文

査読有り 筆頭著者
2020年1月

助産師学生によるBlended Learningの手法を用いた授業の形成的評価

聖路加看護学会誌
  • 蛭田 明子
  • ,
  • 片岡 弥恵子
  • ,
  • 小黒 道子

23
1-2
開始ページ
23
終了ページ
29
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)聖路加看護学会

目的:臨床的思考と急変時の状況に"反応する力"を養うことを目的に、Blended Learningの手法を用いて授業の改革を行った。本研究の目的は、新しく構築した授業に対する学生からの形成的評価を得ることである。方法:オンライン学習として(1)e-learningと(2)クラス後に配信する実践例VTR、対面の集合学習として(3)事例に基づく臨床推論討議と(4)シミュレーション、以上4つの学習メディアを組み合わせて授業を構築した。対象は大学院で助産学を専攻する1年生13人である。質問紙により2時点でデータを収集した。1回目は分娩介助実習開始前に各メディアの評価、授業全体の満足度を、2回目は実習終了後に授業の有用性をたずねた。1回目は13人、2回目は11人に質問紙を配布し、全員から回答を得た。量的データは記述統計を行い、自由回答で得た質的データは回答をコーディングし、カテゴリー化した。結果:実習前に10段階で評価が高かった学習メディアは、事例に基づく臨床推論討議(平均9.2±0.7)と実践例VTR(平均9.2±1.0)であった。授業全体の満足度は10段階で平均8.9(±0.9)であり、記述されたエピソードより、楽しく充実した学習、学びが深まり、記憶に残る学習であると評価された。実習後は、実習で異常に遭遇したそのとき、またその後の振り返りにおいて、回答した11人中10人(91%)の学生が授業は役立ったと回答した。最も役立った現象の理解の学習メディアは、e-learning、状況への対応はシミュレーションであった。実習で授業がどのように役に立ったのかを問う自由記載からは、現状の理解と予測をすることに授業が役立ったことが示された。全体的に肯定的な評価である一方で、e-learningには内容の構成や時間、操作性の点で課題も見いだされた。結論:Blended Learningの手法を用いた授業は、学生の学習意欲を活性化し、知識の活用と臨床的な思考を促す方法として有用である可能性が示唆された。今後はe-learningの構成やシステムの改善が課題である。(著者抄録)

リンク情報
Jamas Url
https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&doc_id=20200207270003&url=http%3A%2F%2Fwww.medicalonline.jp%2Fjamas.php%3FGoodsID%3D%2Ffi2seiru%2F2020%2F002302%2F001%2F0023-0029%26dl%3D0&type=MedicalOnline&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00004_2.gif
ID情報
  • ISSN : 1344-1922
  • 医中誌Web ID : 2020138962

エクスポート
BibTeX RIS