共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年7月 - 2023年3月

絆をつむぐ周産期グリーフケアの実装:看護職リトリート・プログラムの導入

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
20K21728
体系的課題番号
JP20K21728
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

流産・死産・新生児死亡により周産期に予期せず子どもを失った女性とその家族の悲しみは計り知れず、看護職による十分なグリーフケアが求められる。一方、グリーフケアを担う看護職は十分な支援を受けられておらず、グリーフケアに自信がなく、組織からの支援も不足といわれている。我が国の病院・診療所に勤務する助産師681名の調査では、84%の助産師が心的外傷体験を経験し、その第一要因は予測しない急変や子どもの死であり、その後の離職意向は15%に認められた。すなわち、周産期喪失のケアで看護者は共感疲労(緊張状態と患者のことが頭から離れない状態)に陥りやすく、看護職への特別な支援は焦眉の急を要する。過去10年で10倍に増加した過労自殺を予防するためには、人間関係のいい職場つくり、レジリエンス(回復力)強化が不可欠であり、その意味でも本件は喫緊の課題である。周産期グリーフケアの支援には、専門的な周産期グリーフケア研修のみならず、回復力を高める看護職リトリート・プログラムの導入が必要であると考えた。
本研究の目的は、周産期グリーフケア研修に加えて、看護職にリトリート・プログラムを導入し、流産・死産・新生児喪失の家族の新たな絆をつむぐグリーフケアを実装し、実装アウトカム(ケア実施数・忠実度・受容度)およびサービスアウトカム(ケア満足度・適時性・看護職メンタルヘルス等)を評価することである。
本年度は、研修プログラムの内容を計画し、特に研修で用いる教材を準備した。科研費「課題番号:17390587」(基盤研究B)、「死産を経験した家族の出会いと別れを支えるグリーフケアの開発」において作成した「悲しみのそばで」の改訂版を作成し、教育内容の選定、評価尺度の選定と吟味(共感疲労の尺度、周産期喪失に関わる看護師の自信尺度)を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K21728
ID情報
  • 課題番号 : 20K21728
  • 体系的課題番号 : JP20K21728