2019年4月 - 2023年3月
Foodshed概念を用いた都市空間の再評価と計画論への展開
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本年度は、2020年度に実施したCOVID-19による緊急事態宣言下の都市の緑地・農地の利用と健康福利に関するオンライン・アンケート調査について重回帰分析を行い、次の結果を得た。
1)レクリーエーション空間としての農の空間の利用と、人々の主観的幸福感及び身体活動量に関連が見られた。具体的には、市民農園と家庭菜園の利用者は、非利用者と比較して有意に主観的幸福感が良好であった。一方、直売所の利用と主観的幸福感には関係が見られなかった。また、市民農園と家庭菜園と直売所の利用者は、いずれも非利用者より身体活動量が有意に高かった。
2)ローカルフードの入手空間としての農の空間の利用と、現在及び将来に対する食料入手への安心感に関連が見られた。具体的には、市民農園と直売所の利用者は非利用者よりも、有意に食料入手への不安感が低いことがわかった。一方、家庭菜園の利用者については、現在の不安感は有意に低いが、将来の不安感とは有意差は見られなかった。
3)市民農園・家庭菜園・直売所の利用者の特性分析からは、いずれの空間も在宅勤務者が非在宅勤務者よりも有意に多く利用していたことがわかった。
以上より、日本の都市郊外に広がる農住混在市街地は、生活圏レベルにレクレーション空間及びローカルフードの入手空間としての農の空間を提供しており、そのことが感染症流行下における人々の健康福利の維持と関係していたことが示された。また、感染症流行により広く普及した在宅勤務というライフスタイルは、自宅周辺の農の空間利用を促しており、都市の農を支える新たな担い手に在宅勤務者がなり得る可能性が示唆された。
1)レクリーエーション空間としての農の空間の利用と、人々の主観的幸福感及び身体活動量に関連が見られた。具体的には、市民農園と家庭菜園の利用者は、非利用者と比較して有意に主観的幸福感が良好であった。一方、直売所の利用と主観的幸福感には関係が見られなかった。また、市民農園と家庭菜園と直売所の利用者は、いずれも非利用者より身体活動量が有意に高かった。
2)ローカルフードの入手空間としての農の空間の利用と、現在及び将来に対する食料入手への安心感に関連が見られた。具体的には、市民農園と直売所の利用者は非利用者よりも、有意に食料入手への不安感が低いことがわかった。一方、家庭菜園の利用者については、現在の不安感は有意に低いが、将来の不安感とは有意差は見られなかった。
3)市民農園・家庭菜園・直売所の利用者の特性分析からは、いずれの空間も在宅勤務者が非在宅勤務者よりも有意に多く利用していたことがわかった。
以上より、日本の都市郊外に広がる農住混在市街地は、生活圏レベルにレクレーション空間及びローカルフードの入手空間としての農の空間を提供しており、そのことが感染症流行下における人々の健康福利の維持と関係していたことが示された。また、感染症流行により広く普及した在宅勤務というライフスタイルは、自宅周辺の農の空間利用を促しており、都市の農を支える新たな担い手に在宅勤務者がなり得る可能性が示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K15863
- 体系的課題番号 : JP19K15863
この研究課題の成果一覧
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論文
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Sustainability 13(17) 9817-9817 2021年9月1日 査読有り
MISC
4-
森林環境 2024 43-52 2024年3月15日 招待有り筆頭著者
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22(3) 468-473 2023年12月11日
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ランドスケープ研究 87(2) 2023年7月 筆頭著者
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農業と経済 88(4) 198-207 2022年12月 招待有り筆頭著者
講演・口頭発表等
2-
The 18th International Landscape Architectural Symposium of Japan, China and Korea 2023年11月11日
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Next Urban Lab 研究会 2023年1月27日 招待有り