共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

Foodshed概念を用いた都市空間の再評価と計画論への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K15863
体系的課題番号
JP19K15863
配分額
(総額)
3,640,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
840,000円

本年度は、2020年度に実施したCOVID-19による緊急事態宣言下の都市の緑地・農地の利用と健康福利に関するオンライン・アンケート調査について重回帰分析を行い、次の結果を得た。
1)レクリーエーション空間としての農の空間の利用と、人々の主観的幸福感及び身体活動量に関連が見られた。具体的には、市民農園と家庭菜園の利用者は、非利用者と比較して有意に主観的幸福感が良好であった。一方、直売所の利用と主観的幸福感には関係が見られなかった。また、市民農園と家庭菜園と直売所の利用者は、いずれも非利用者より身体活動量が有意に高かった。
2)ローカルフードの入手空間としての農の空間の利用と、現在及び将来に対する食料入手への安心感に関連が見られた。具体的には、市民農園と直売所の利用者は非利用者よりも、有意に食料入手への不安感が低いことがわかった。一方、家庭菜園の利用者については、現在の不安感は有意に低いが、将来の不安感とは有意差は見られなかった。
3)市民農園・家庭菜園・直売所の利用者の特性分析からは、いずれの空間も在宅勤務者が非在宅勤務者よりも有意に多く利用していたことがわかった。
以上より、日本の都市郊外に広がる農住混在市街地は、生活圏レベルにレクレーション空間及びローカルフードの入手空間としての農の空間を提供しており、そのことが感染症流行下における人々の健康福利の維持と関係していたことが示された。また、感染症流行により広く普及した在宅勤務というライフスタイルは、自宅周辺の農の空間利用を促しており、都市の農を支える新たな担い手に在宅勤務者がなり得る可能性が示唆された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K15863
ID情報
  • 課題番号 : 19K15863
  • 体系的課題番号 : JP19K15863

この研究課題の成果一覧

論文

  1

MISC

  4

講演・口頭発表等

  2