2020年4月 - 2023年3月
中性子非弾性機構によるトリプルアルファ反応の増幅率の決定
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
本年度は、10MeV前後の単色中性子ビームを用いて中性子非弾性散乱測定を行うために必須のビームスウィンガーシステムによるエネルギー可変型単色中性子源の開発とFlashADCによるデーター収集系・解析手法の開発を実施した。また、昨年度から引き続きMIVOC法によるホウ素(B)イオン生成の開発を進め、CYRICにおける高強度単色中性子ビームを得ることのできる最適な中性子生成反応を決定した。
エネルギー可変型単色中性子源開発では、1次ビームのエネルギーを変更せずにビームスウィンガーの角度を変更することで、5MeVから10.2 MeVまでの単色中性子ビームを得ることに成功した。
FlashADCによるデータ収集系・解析手法の開発では、従来のシステムに比べて簡素化された回路で構成されたデータ収集系によるデータ収集システムを開発した。データ転送レートは最大80MB/sで液体シンチレーター検出器からの信号を理想的には約25k events/sで測定することを可能にした。これは従来のデータ収集システムに比べ約10倍の速度が得られる計算になる。また、波形データから信号のベースラインを適切に求める手法を開発することで中性子線とガンマ線の識別能力を向上させた。
Bイオン生成の開発では、B蒸気を発生させるMIVOCチェンバーを高電圧側に配置することで、効率よくB蒸気をイオン源へ導入することを試みた。結果、2.5pμA程度でより安定なBイオンの供給が可能になった。しかしながら、単色中性子源のバックグラウンドとなる中性子の連続エネルギー成分は、水素ガス標的の容器部と1次ビームによる反応からの発生が大部分であることがわかった。そこで、ビーム調整用バッフルスリットを追加して容器に当たるビーム量を減らすことで、13Cビームや15Nビームにおいても連続成分が小さな単色中性子ビームを得ることに成功した。
エネルギー可変型単色中性子源開発では、1次ビームのエネルギーを変更せずにビームスウィンガーの角度を変更することで、5MeVから10.2 MeVまでの単色中性子ビームを得ることに成功した。
FlashADCによるデータ収集系・解析手法の開発では、従来のシステムに比べて簡素化された回路で構成されたデータ収集系によるデータ収集システムを開発した。データ転送レートは最大80MB/sで液体シンチレーター検出器からの信号を理想的には約25k events/sで測定することを可能にした。これは従来のデータ収集システムに比べ約10倍の速度が得られる計算になる。また、波形データから信号のベースラインを適切に求める手法を開発することで中性子線とガンマ線の識別能力を向上させた。
Bイオン生成の開発では、B蒸気を発生させるMIVOCチェンバーを高電圧側に配置することで、効率よくB蒸気をイオン源へ導入することを試みた。結果、2.5pμA程度でより安定なBイオンの供給が可能になった。しかしながら、単色中性子源のバックグラウンドとなる中性子の連続エネルギー成分は、水素ガス標的の容器部と1次ビームによる反応からの発生が大部分であることがわかった。そこで、ビーム調整用バッフルスリットを追加して容器に当たるビーム量を減らすことで、13Cビームや15Nビームにおいても連続成分が小さな単色中性子ビームを得ることに成功した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01908
- 体系的課題番号 : JP20H01908
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
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日本物理学会2023年春季大会 2023年3月22日