共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

大量不純物入射による逃走電子緩和の統合数値実験

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K14904
体系的課題番号
JP17K14904
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円
資金種別
競争的資金

大電流トカマクのディスラプションで観測される逃走電子の発生に関し、電子分布関数のモンテカルロ計算を核とする統合シミュレーションを構築し、ITERにおける逃走電子発生量の予測および緩和手法の最適化に資する研究を実施する。平成30年度は前年度に開発に着手した逃走電子を流体として近似するモデルを採用した非線形MHDシミュレーションを完成させ、ITER規模の装置におけるディスラプションを模擬する長時間シミュレーションを実施した。同シミュレーションにはディスラプション緩和のために入射されるアルゴン不純物の原子分子過程、導入された不純物と逃走電子の衝突効果、発生した逃走電子の二次電子増幅に加え、熱クエンチ時の磁気面破壊の効果が取り込まれている。同シミュレーションにより、放射冷却に伴うMHDモードのトリガーから種電子の発生、プラズマ電流減衰、二次電子増幅による逃走電子ビーム形成までの一連の過程を扱うシミュレーションに成功し、熱クエンチ直後には磁場の乱れによって逃走電子が排出されるが、熱クエンチ後の磁気面再形成によって種電子がプラズマ中心に蓄積することがビーム形成にとって重要な過程であることを明らかにし、その成果をIAEA核融合エネルギー会議で報告した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K14904
ID情報
  • 課題番号 : 17K14904
  • 体系的課題番号 : JP17K14904