2021年4月 - 2024年3月
PBKを標的とする抗骨髄腫薬導出に向けた創薬プラットフォームの構築と分子機能解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
多発性骨髄腫(Multiple myeloma, 以下MM)は形質細胞由来の難治性血液悪性腫瘍である。MMの臨床症状は多彩であり、治療やその効果の予測は難しい。臨床症状の原因として、細胞増殖の制御機構に異常をきたしたMM細胞の異常増殖が考えられているが、その分子学的機序には不明な点が多い。代表者は、MMの新規予後不良因子としてPDZ-binding kinase(以下PBK)を発見し、PBKがMM細胞の造腫瘍性に密接に関連することを示した。そこで本研究では、PBKを標的とした分子標的薬ならびにPBK関連分子との相互作用阻害がMMの新しい治療薬として有効である可能性を検証する方針とした。
はじめに、PBK遺伝子の生理的作用を見出す目的で、PBK遺伝子破壊(PBK-KO)マウスを樹立した。PBK-KOマウスは、正常に出産・発育し外見上特別な表現型を示さなかった。そこで、PBKが豊富に存在する精巣からRNAを抽出して、cDNAマイクロアレイ法とGene Set Enrichment Analysisにより遺伝子発現に関わる解析に着手した。
代表者は、公共のデータベースと遺伝子発現解析を利用したサブ解析から、PBKの発現レベルと高い相関性を示す遺伝子X(仮称)を見出した。遺伝子Xはインターロイキン6によって遺伝子発現が誘導され、その高発現はMM患者の生存率を有意に低下させること、MM細胞株の増殖に関連することを明らかにした。また、ゲノム編集法による内在性タグの導入と、タグ抗体を用いた免疫沈降によるプロテオミクス解析を実施し、遺伝子Xと相互作用する分子の同定を試みている。
さらに、PBKを高発現するMM細胞に対して増殖抑制効果の高い薬剤や化合物を同定するために、1500個のカスタム化合物ライブラリーを入手した。この化合物とPBKの発現を欠失させたアイソジェニッククローンを用いて、各種化合物に対する感受性の変化を解析中である。
はじめに、PBK遺伝子の生理的作用を見出す目的で、PBK遺伝子破壊(PBK-KO)マウスを樹立した。PBK-KOマウスは、正常に出産・発育し外見上特別な表現型を示さなかった。そこで、PBKが豊富に存在する精巣からRNAを抽出して、cDNAマイクロアレイ法とGene Set Enrichment Analysisにより遺伝子発現に関わる解析に着手した。
代表者は、公共のデータベースと遺伝子発現解析を利用したサブ解析から、PBKの発現レベルと高い相関性を示す遺伝子X(仮称)を見出した。遺伝子Xはインターロイキン6によって遺伝子発現が誘導され、その高発現はMM患者の生存率を有意に低下させること、MM細胞株の増殖に関連することを明らかにした。また、ゲノム編集法による内在性タグの導入と、タグ抗体を用いた免疫沈降によるプロテオミクス解析を実施し、遺伝子Xと相互作用する分子の同定を試みている。
さらに、PBKを高発現するMM細胞に対して増殖抑制効果の高い薬剤や化合物を同定するために、1500個のカスタム化合物ライブラリーを入手した。この化合物とPBKの発現を欠失させたアイソジェニッククローンを用いて、各種化合物に対する感受性の変化を解析中である。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K08426
- 体系的課題番号 : JP21K08426