共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2024年3月

台風・爆弾低気圧の予測可能性とスケール間大気海洋相互作用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
19H05696
体系的課題番号
JP19H05696
配分額
(総額)
112,450,000円
(直接経費)
86,500,000円
(間接経費)
25,950,000円

台風:(1)日本付近を西進して逆走台風などと呼ばれた2018年の台風第12号と上層の寒冷渦との相互作用について数値実験を行った。大気海洋結合実験での台風による海面冷却の効果は、対流を通じて上層の寒冷渦にも影響することを明らかにした。(2)2019年台風第15号の発生環境場を調べ、さらに2019年台風第19号と比較しながら高解像度海洋モデルとクーリングパラメータを用いて、台風通過に伴う海面水温低下の定量化を行った。後者の解析の結果では、海面水温低下にとって海洋状態だけでなく台風の特徴が重要であることを明らかにした。(3)精緻な雲物理モデルを用いたシミュレーションを行なって、湿潤対流へのエアロゾル(海塩粒子)数濃度の影響を明らかにした。また、関東沿岸における降水量とエアロゾル数濃度の関係を観測データを用いて解析した。両者を論文発表した。(4)近年の黒潮の遠隔影響がより顕在化して日本に接近する秋台風の強度を強めている可能性を示した。
爆弾低気圧:(1)ホットスポットによって形成される環境場(低気圧の活動域の南北分岐形成や急発達の出現頻度)が爆弾低気圧や二つ玉低気圧に与える影響を明らかにした。JRA55の時刻あたりの低気圧出現個数に関する気候特性をまとめた。(2)日本海低気圧と南岸低気圧の急発達をもたらす水蒸気起源に系統的な差異が見られた。
現場観測・衛星リモセン:(1)改良された海上の比湿・風速の衛星推定手法により2012~2019年の台風時と爆弾低気圧時の海面熱フラックス推定を行った。台風の発達の度合いと海面潜熱フラックスの関係を既存のデータと比較を行いながら調査した。(2)平成30年7月豪雨による海上への直接の降水と河川を通した短時間での膨大な淡水の供給により、太平洋と瀬戸内海の間での重力循環が強化されたことを3次元数値モデルにより明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-19H05696
ID情報
  • 課題番号 : 19H05696
  • 体系的課題番号 : JP19H05696