2020年4月 - 2023年3月
人為起源エアロゾル由来の栄養塩供給が海洋生態系と物質循環に与える影響の評価
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
今年度は昨年度実施した過去再現実験を用いて、溶存酸素と海洋炭素吸収に対する気候変動、窒素沈着、鉄沈着の影響を評価した。窒素沈着の増加に伴う海洋内部での有機物分解の増加は、気候変動に伴う溶解度低下と成層化と共に溶存酸素減少を減少させた。海洋上層1000mにおける溶存酸素減少に対する窒素沈着の影響は気候変動の影響の約70%であった。鉄沈着の影響は基礎生産への影響と同様に溶存酸素への影響はわずかであった。先行研究からモデルは観測された溶存酸素の低下を過小評価する傾向が報告されていたが、人為起源エアロゾル由来の栄養塩供給を考慮することで、モデルと観測のミスマッチの一部が改善することが明らかになった。また、海洋炭素吸収量はシミュレーションの最後の10年間において、窒素沈着の増加の影響で約7%増加し、気候変動に伴う減少をほぼ打ち消すことがわかった。
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本年度得られた上記の結果と昨年度調査した基礎生産への影響をまとめ、河川からの栄養塩供給の影響についても調べた内容の論文を投稿し、改訂を実施した。
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SSP1-2.6, SSP2-4.5, SSP5-8.5シナリオを用いた将来予測実験においても、温暖化、窒素沈着、鉄沈着の影響を切り分ける感度実験を実施した。SSP1-2.6, SSP2-4.5シナリオでは、過去再現実験と同様に基礎生産と溶存酸素の変化に対する人為起源栄養塩流入の影響は気候変動の影響と同程度であったが、SSP5-8.5シナリオでは気候変動の影響が支配的であることを明らかにした。
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本年度得られた上記の結果と昨年度調査した基礎生産への影響をまとめ、河川からの栄養塩供給の影響についても調べた内容の論文を投稿し、改訂を実施した。
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SSP1-2.6, SSP2-4.5, SSP5-8.5シナリオを用いた将来予測実験においても、温暖化、窒素沈着、鉄沈着の影響を切り分ける感度実験を実施した。SSP1-2.6, SSP2-4.5シナリオでは、過去再現実験と同様に基礎生産と溶存酸素の変化に対する人為起源栄養塩流入の影響は気候変動の影響と同程度であったが、SSP5-8.5シナリオでは気候変動の影響が支配的であることを明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K12144
- 体系的課題番号 : JP20K12144