論文

2015年12月

三重県東紀州地域の男性における自殺念慮の経験の有無に影響を与える要因 三重県東紀州地域と津市の住民を対象とした地域住民調査から

こころの健康
  • 羽田 有紀
  • ,
  • 船越 明子

30
2
開始ページ
47
終了ページ
55
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本精神衛生学会

東紀州地域2市3町と津市在住の20歳以上の県民より無作為に抽出した東紀州地域1960名、津市1984名を対象に、自殺念慮に影響する要因について調査した。調査票は東紀州地域720部、津市837部から回答が得られ、1440部(男性666名、女性774名)を有効回答とし、分析対象とした。自殺念慮の経験がある人は、東紀州地域全体では174名(26.5%)、東紀州男性では61名、東紀州女性は113名、津市全体では175名(22.3%)、津市男性では67名、津市女性は108名であった。自殺念慮の経験の有無を目的変数に単変量解析において有意差を認めた項目について多重ロジステック回帰分析を行った。その結果、東紀州男性の特徴として、重大なストレス要因に直面する状況で、その状況に対処しきれず自殺念慮に発展してしまうリスクがあることが示唆された。「この1ヵ月間の不満、悩み、苦労、ストレスの有無」が自殺念慮の経験に強く関連しており、東紀州男性以外ではこのような関連は見られなかった。

ID情報
  • ISSN : 0912-6945
  • 医中誌Web ID : 2016138555

エクスポート
BibTeX RIS