基本情報

所属
京都美術工芸大学 工芸学部 講師
学位
修士(工学)(京都工芸繊維大学大学院)
博士(学術)(京都工芸繊維大学大学院)

研究者番号
00781080
J-GLOBAL ID
200901074288821870
researchmap会員ID
6000019735

研究テーマについて

「15世紀イタリアの万能の天才アルベルティの建築論と美学ー建築創作と修復をめぐってー」

アルベルティはとりわけルネサンスの建築家の中でも、理想とした異教的古代建築を、キリスト教的価値観の支配する「いまの」社会において、いかにふさわしく再生させるかを熱心に追求しました。そのために過去の建築や都市の形態と多様性を学ぶために建築書を書き、過去の建築の素描や図面を描き、自らのデザインの根幹としました。そこには過去の建築を保存することと新しい建築を創造することの融合と美しい調和がみてとれるのです。それは、改築、修復、リノベーションというような枠組みでは捉えきれない創作手法といえます。


「15世紀イタリアの空間概念についてーテクストとイメージによる空間描写ー」

さらにもう一つの研究テーマとして1400年代の空間概念や、その成立過程を明らかにするため、様々な空間表現を当時の思想・視覚文化の中で再検討してきました。実際の建築と都市のみならず、テクストによる空間描写(建築論や文学作品などにおける建築や都市の描写)とイメージによる空間描写(絵画や素描に描かれた建築や、建築図面)という空間を表現する「メディア」についても考察しています。


「初期近代ローマの新サン・ピエトロ聖堂造営における建築創作手法としての創造的修整」

本研究は、科学研究費助成事業若手研究(2018〜20年度)の研究課題です。初期近代ローマ最大の建築事業であった旧サン・ピエトロ聖堂の再建(新サン・ピエトロ聖堂の建設)に着目し、複雑きわまるその設計・建設過程が「保存」と「破壊」との弁証法の中から紡ぎだされた「創造的修整」と呼ぶべきものであったことを明らかにすることを試みます。創造的修整とは過去の建築を大規模に改変する際にみられる、創造と保存を包括した創作手法を示す概念です。それは新サン・ピエトロ聖堂建設の重要な設計原理でもあったと考えられます。それは今日の建築創作における保存と創造の深刻な対立構造という問題を、史的な観点から考察するうえで興味深い事例でもあるはずです。

 

「ルネサンス期の彫刻家-建築家による建築創作手法の特質の解明」

本研究は、科学研究費助成事業若手研究(2021〜23年度)の研究課題です。ルネサンス期イタリアは、建築家の職能の形成過程にあったため、名を馳せた画家や彫刻家が建築創作をも手がけることが多くありました。建築の構想や表現において、内観・外観の透視図や建築図面が重要視されたこともあり、建築における絵画的建築空間の特質についてはさまざまに議論されてきています。しかし彫刻については、建築と同じく三次元的表現を特徴とする空間芸術であるにも関わらず、建築創作との関係性は切り離されて考察されることがしばしばです。そこで本研究は、ルネサンス期の彫刻家−建築家が制作したミニチュア建築(墓廟、説教壇、天蓋など)に着目し、それらを単なる彫刻作品ではなく、建築空間表現につながる造形ととらえ、その形態的特徴や、構想から実現までの創作過程などを、彼らが手がけた建築と比較することで、彫刻家−建築家に特有の彫刻的建築ともいえる性質を剔抉することを試みます。

「資料公開」に2021年4月1日現在の研究教育業績リスト(PDF)を掲載しています。


共同研究・競争的資金等の研究課題

  7

書籍等出版物

  7
  • 池上, 俊一 (担当:共訳, 範囲:第5章 セバスティアーノ・セルリオ『建築七書(第四書)(抄)』)
    名古屋大学出版会 2021年6月 (ISBN: 9784815810269)
  • 木俣, 元一, 松井, 裕美 (担当:共著, 範囲:古典主義者アルベルティ再考:マラテスタ神殿の凱旋門モチーフの意図とその受容)
    中央公論美術出版 2021年1月 (ISBN: 9784805508862)  査読有り
  • 伊藤喜彦, 頴原澄子, 岡北一孝, 加藤耕一, 黒田泰介, 中島智章, 松本裕, 横手義洋 (担当:共著, 範囲:第4章「歴史的建築の再利用と建築家の創造性」)
    彰国社 2020年4月 (ISBN: 9784395321476)
  • 布野修司 (担当:共著, 範囲:「フェラーラ:具現化された理想都市」、「マントヴァ:ルネサンスの水都」、「フィレンツェ:ルネサンスの首都」、「アッシジ:天国の丘の聖都」、「ローマ:永遠の古都─カトリックの聖都」)
    昭和堂 2019年11月
  • 松原康介編著 (担当:共著, 範囲:「コラム4 理想都市:その出発点ピエンツァ」「ピサ:川の港町から学術都市へ」、「コラム5 アルベルティ:万能の天才と地中海世界」、「ジェノヴァ:迷宮の港町と栄光の近代」)
    明石書店 2019年2月
  • ヒロ・ヒライ監修 (担当:共著, 範囲:パノフスキー『イコノロジー研究』・『イデア』、グラフトン『アルベルティ』、ザクスル『シンボルの遺産』)
    工作舎 2019年2月
  • 稲川直樹, 桑木野幸司, 岡北一孝 (担当:共著, 範囲:第1章 15世紀ウルビーノの建築文化とブラマンテの修行時代)
    NTT出版 2014年12月 (ISBN: 9784757143357)  査読有り

論文

  14

講演・口頭発表等

  20

MISC

  36

担当経験のある科目(授業)

  29

所属学協会

  5

その他

  21
  • 21
    2020年8月
    京都アカデミアフォーラムin丸の内主催高校生向けオンライン講座「京都で学ぶ」
  • 2019年11月 - 2019年12月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回 イタリアは古代ローマ時代だけでなく、15世紀以降の長きにわたって、芸術文化の中心でした。レオナルド・ダ・ヴィンチやベルニーニなどイタリアの著名な芸術家たちは、ヨーロッパ各国の宮廷に招かれて、仕事をすることがしばしばでした。本講座では、イギリス、フランス、日本を題材に、その国における「イタリア」建築を取り上げます。 1. ベルニーニとルーヴル宮殿(11月15日20:00〜21:30) 2. パッラーディオ主義:イギリスにおけるイタリア・ルネサンス建築(11月29日20:00〜21:30) 3. 日本におけるイタリア建築:中之島図書館からメゾン・エルメスまで(12月13日20:00〜21:30)
  • 2019年10月 - 2019年10月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回 レオン・バッティスタ・アルベルティ(1404-1472)はレオナルド・ダ・ヴィンチさえも嫉妬した万能の天才と言われてきました。この講座では、15世紀イタリアの芸術や文化において、アルベルティの果たした役割について「建築」を中心に話を進めていきます。 1. テンピオ・マラテスティアーノ(10月18日20:00〜21:30) 2. フィレンツェとアルベルティ(10月25日20:00〜21:30) 3. マントヴァとアルベルティ(11月1日20:00〜21:30)
  • 2019年2月 - 2019年2月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。 都市のローマの姿を創建から現在までの姿を編年的にみていくことで、その都市の魅力と、ヨーロッパ中に与えた影響の大きさを示します実際にイタリアを旅行した際に、建築や街を鑑賞する手引きにもなるような講座を目指します。 1. グランド・ツアー:理想の都ローマを求めて(2月19日20:00~21:30) 2. ファシズムの遺産(2月26日20:00~21:30) 3. 今日のローマ、未来のローマ(3月5日20:00~21:30)
  • 2019年1月 - 2019年1月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。 都市のローマの姿を創建から現在までの姿を編年的にみていくことで、その都市の魅力と、ヨーロッパ中に与えた影響の大きさを示します実際にイタリアを旅行した際に、建築や街を鑑賞する手引きにもなるような講座を目指します。 1. 大分裂からの教皇の帰還:キリスト教の首都としてのローマを目指して(1月22日20:00~21:30) 2. 都市ローマ復興の世紀:16世紀初頭の教皇たちの野望(1月29日20:00~21:30) 3. ルネサンスからバロックへ:対抗宗教改革と都市の大改造(2月5日20:00~21:30)
  • 2018年11月 - 2018年11月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。 都市のローマの姿を創建から現在までの姿を編年的にみていくことで、その都市の魅力と、ヨーロッパ中に与えた影響の大きさを示します実際にイタリアを旅行した際に、建築や街を鑑賞する手引きにもなるような講座を目指します。 1. コンスタンティヌスの建築:初期キリスト教建築の魅力(11月13日20:00~21:30) 2. 都市衰亡の時代の建築と都市(11月20日20:00~21:30) 3. 12世紀ルネサンス:建築の刷新(11月27日20:00~21:30)
  • 2018年10月 - 2018年10月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。 都市のローマの姿を創建から現在までの姿を編年的にみていくことで、その都市の魅力と、ヨーロッパ中に与えた影響の大きさを示します実際にイタリアを旅行した際に、建築や街を鑑賞する手引きにもなるような講座を目指します。 1. 都市ローマの創建(10月9日20:00~21:30) 2. 都市と建築をかたちづくる理念と造形原理:ギリシアからローマへ(10月16日20:00~21:30) 3. 帝国絶頂期のローマ:異教の時代の建築と都市(10月30日20:00~21:30)
  • 2017年8月 - 2017年8月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。 建築をつくるには人の一生以上の時間がかかることがしばしばです。建設過程で担当の建築家・職人が変わったり、デザインが大規模に変更されることもよく起こります。いろんな様式や時代の趣味が一つの建物に盛り込まれているのが建築独特の面白さであるともいえます。今回はそのような建物に含まれる「時間の流れ」を感じてもらうために、カトリックの総本山であるサン・ピエトロ聖堂を3回かけてじっくりと見ていきます。 1. (旧)サン・ピエトロ聖堂の創建(8月24日) 2. ルネサンス期の再建(9月7日) 3. バロック期の創造(9月14日)
  • 2017年7月 - 2017年7月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。建築は建築家のものだけではありません。ヨーロッパの絵画の中には、教会堂や宮殿など様々な建物が描かれています。今回は、その中でもルネサンスの絵画に着目し、その迫真性と豊かな表現を見ていきます。そして絵画の中の建築が、実は実際の建築作品にも大きな影響を与えたことを考えていきます。 1. 絵画の中の建築とは?いろいろな絵画に描かれている建築(7月13日) 2. ピエーロ・デッラ・フランチェスカによる建築描写(7月20日) 3. アンドレア・マンテーニャによる建築描写(7月27日)
  • 2017年6月 - 2017年6月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラーノ、ナポリのような大都市以外にも、独自の文化を背景にした魅力的な建築を数多く擁する小都市がイタリアには多く存在します。こうした街の建築を、イタリアの建築の厚みに触れることで、建築史はどんどん面白くなりますし、建物を見る目も養われてきます。 1. 湖畔のルネサンス都市マントヴァ(6月8日) 2. 中世と近代がとけあう街フェラーラ(6月15日) 3. モンテフェルトロの理想都市ウルビーノ(6月22日)
  • 2017年5月 - 2017年5月
    イタリア文化会館ー大阪の建築史講座。全3回。シチリアは地中海の交通の要衝であり、古代以来さまざまな民族や国家によって治められてきた土地である。そのためイタリアの中でも独特の文化的混淆・多様性がみられ、それが建築のかたちにも現れている。またエトナ山を擁し、地震や噴火など自然災害が多いことも、建築や都市の成り立ちに大きく影響した。今回の講座では全3回をそれぞれ古代編・中世編・近代編とし、建築様式や建築史に関する基礎知識を織りまぜながら、それぞれの時代のシチリア建築や都市の魅力を語っていく。 1. 古代ギリシアとシチリア:シラクーザとアグリジェント(5月11日) 2. 中世とシチリア:パレルモの建築(5月18日) 3. 近代とシチリア:災害復興とバロックーヴァル・ディ・ノート地方の建築と都市(5月25日)
  • 2016年5月 - 2016年5月
    會田涼子氏(近畿大学建築学部助教)講演会「19世紀フィレンツェの首都化における意匠性の表出―建築家ジュゼッペ・ポッジによる都市改造計画をとおして―」 において企画・趣旨説明・司会を担当。
  • 2015年7月 - 2015年7月
    パンプーリャ・コンプレックス、サン・フランシスコ・デ・アシス教会、ダンスホール、パンプーリャ・ヨットクラブ、国連本部ビル、カノアスの邸宅についての作品解説を執筆。
  • 2013年9月 - 2013年9月
    博士(学術)(学位記番号:博甲第681号) 論文タイトル:De re aedificatoria における第十書の位置づけと「修復」«instaurare»の意味
  • 2013年4月 - 2013年4月
    平成25年9月10日から30日までのフランス建築実測 調査が主な任務であった。南仏のシトー会修道院のセ ナンク修道院とル・トロネ修道院、ブルゴーニュ地方のマルシニー教会堂ならびにベルゼ=ラ=ヴィル礼拝堂を対象に、平面、立面の実測と図面化を行った。学生を束ね調査を円滑に進める立場として調査に貢献した。 また調査の成果は日本建築学会大会や近畿支部研究 報告会などで発表した。
  • 2013年2月 - 2013年2月
    登録番号:第352696号
  • 2008年7月 - 2008年7月
    2008年6月の日本建築学会近畿支部研究発表会での研究発表の審査を受けて受賞