2013年6月30日
小型哺乳類の分布と生息状況の再評価の必要性 : 岡山県における現状
哺乳類科学
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- 巻
- 53
- 号
- 1
- 開始ページ
- 107
- 終了ページ
- 115
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11238/mammalianscience.53.107
- 出版者・発行元
- 日本哺乳類学会
岡山県全域を対象とした小型哺乳類の捕獲調査を2010年10月~2011年12月にかけて実施した.齧歯目6種,トガリネズミ型目2種の計130個体が捕獲された.小型哺乳類の8種すべてで生息密度が非常に低かった.アカネズミ<i>Apodemus speciosus</i>の捕獲数が最も多く,捕獲場所も県内全域の様々な環境に及んだ.これに対してアカネズミ以外の種では,植生や標高などの生息環境に選択性が見られた.アカネズミの生息密度に最も大きな影響を与えたのはハビタットタイプではなく,年2回の繁殖による個体数の増加であった.岡山県では何らかの理由で小型哺乳類の生息密度が非常に低くなっていると思われるが,特にこれまで普通種と思われていたヒメネズミ<i>A. argenteus</i>とハタネズミ<i>Microtus montebelli</i>の生息数の減少が懸念された.他県においても普通種を含めた小型哺乳類の生息密度の再評価が必要な時期に来ていると思われる.<br>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11238/mammalianscience.53.107
- ISSN : 0385-437X
- CiNii Articles ID : 10031185590
- CiNii Books ID : AN00231656
- identifiers.cinii_nr_id : 9000018607157