MISC

2016年

長崎県五島列島野崎島へのイノシシの侵入とその後の分布拡大について

哺乳類科学
  • 中本 敦
  • ,
  • 遠藤 晃

56
2
開始ページ
207
終了ページ
213
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11238/mammalianscience.56.207
出版者・発行元
日本哺乳類学会

<p>イノシシ<i>Sus scrofa</i>がおよそ数十~百年間生息していなかったと見られる長崎県五島列島の野崎島において,最近になって近接する地域からのイノシシの侵入が確認された.さらにその後の調査において,島内での分布と個体数が年々拡大していることを記録したのでここに報告する.野崎島でのイノシシの目撃は2010年に初めて記録された.その後,2011年,2012年,2014年の目視によるカウントと痕跡数の記録から,当初,局所的であった目撃場所や痕跡の分布が島内のほぼ全域へと次第に拡大していく様子が観察された.2014年12月に実施した3日間の調査では,のべ19個体のイノシシが目撃された.この個体数の増加は,複数年にわたって亜成獣が確認されていることから,島内でイノシシが繁殖を繰り返した結果と考えられた.すなわち,2010年のイノシシの最初の目撃以降の2年間は雌雄が揃わない等の要因から繁殖に至らなかった状況であったと考えられるが,1度島内で繁殖が始まった後は急激に個体数が増加することが明らかになった.今後,繁殖と海を越える分散を繰り返すことによって,五島列島におけるイノシシの個体数や分布が急速に拡大していくものと考えられる.</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11238/mammalianscience.56.207
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005317213
CiNii Resolver ID
http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000345349762