基本情報

所属
国立情報学研究所
学位
Ph.D(University of Paris IV, France)
HDR(Univerisyt of Nantes, France)

研究者番号
90332155
J-GLOBAL ID
200901075279963480
researchmap会員ID
1000316967

外部リンク

間とAIが協働して問題解決する
私は、人間とAIなどの機械がチームとなって問題解決を行うヒューマン・マシン・チーミング(Human-Machine Teaming:HMT)の研究をしています。AIの急速な発展とともに、人間とAIがどう関わっていくかが大きな課題になっています。AIに全てを任せる、あるいは人間がAIを制御する、といった考え方ではなく、人間とAIが協働することで相乗効果が生まれ、これまで人間だけでは達成できなかった課題の発見や問題解決が可能になるのではないか。そうしたHMTの考え方が注目を集めています。

HMTは医療や産業、教育など、あらゆる分野での活用が想定されます。私はHMTを実践するための手法の開発やプラットフォームの構築、さらにはAI技術が安全かつ適正に活用されるための国際標準化に関する取り組みも行っています。

人の感情をモニタリングするAIツール
HMTで用いる技術の一例として、私たちは感情の動きをモニタリングするmoodflow解析システムを開発しました。これは、脳波計などのセンサーをつけることなく、ユーザーに特定の画像を10秒間集中して見てもらうだけで、その人の感情を自動で検出することができるAIツールです。

たとえば、講義の際にこのAIツールを活用すれば、講義のどこで学生たちの集中が切れているかなどを知ることができ、教師は教え方を工夫することができます。このAIツールは学校教育だけでなく、企業での社員教育などにも有効です。また、こうした感情の状態を解析するAIツールは、うつ病や不安、孤独などに対処するメンタルヘルス分野への応用も期待できます。

教育におけるAIの活用に関しては、個人情報などのプライバシーの管理や倫理ガイドラインの策定、ユーザーに対するシステムの透明性の確保、AIツールを使用するための知識とスキルの習得など、実際の教育現場への導入に向けたルール作りや標準化にも取り組んでいます。

AIを活用した新しい分子の生成
AIを活用してまったく新しい分子を3次元空間に生成する手法の開発にも取り組んでいます。従来の医薬品開発では、新薬の候補となる化合物を探したり、生体における安全性や有効性を調べたりするのに膨大な時間とコストがかかります。そこで、AIを活用してコンピュータ上で安全かつ有効な新薬候補化合物を設計する研究が盛んに行われています。1次元や2次元の空間で分子を生成する研究は多くありますが、私たちが開発した手法では、望ましい特性をもつ新しい分子を3次元空間に生成できるため、分子の構造と動作をよりリアルに表現でき、生体内の標的とどのように相互作用するかをより正確に予測することができます。こうしたAI技術の活用により新薬候補が提案できれば、医薬品の研究開発の効率が飛躍的にアップします。現時点では、精度はまだ十分とは言えませんが、今後さらなる改善を重ねることで、新薬や材料の開発における技術革新をもたらすことを目指しています。


主要な論文

  247

主要なMISC

  10

書籍等出版物

  21

講演・口頭発表等

  67

Works(作品等)

  21

共同研究・競争的資金等の研究課題

  17

学術貢献活動

  10

社会貢献活動

  2

その他

  49