2015年
ピペロニルブトキシドの妊娠期及び授乳期投与によるマウスの行動発達に及ぼす影響
日本毒性学会学術年会
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- 巻
- 42
- 号
- 開始ページ
- P
- 終了ページ
- 182
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14869/toxpt.42.1.0_P-182
- 出版者・発行元
- 日本毒性学会
【目的】食品添加物の防虫剤であるピペロニルブトキシドについて行動発達毒性試験を行い、マウスの次世代の行動発達に及ぼす影響の有無について検討する。<br>【方法】ピペロニルブトキシドを混餌法によりCD1マウスに0(対照群)、0.01%、0.03%、0.09%となるように調製してF0世代の雌に妊娠期及び授乳期に投与して、次世代マウスの行動発達に及ぼす影響について検討した。<br>【結果】F0世代の母マウスの授乳期の生存率が高濃度投与群で低下した。 F1世代の授乳期における仔マウスの生存率は雌雄ともに中・高濃度投与群で低下した。F1世代の授乳期における仔マウスの体重は雌雄ともに高濃度投与群で抑制された。また、授乳期間中の行動発達では雄仔マウスの7日齢の正向反射と遊泳試験の方向および頭角度が用量依存的に抑制された。雌仔マウスの7日齢の正向反射が用量依存的に抑制された。F1世代の自発行動では雄成体マウスの高濃度投与群で立ち上がり回数、立ち上がり時間および平均立ち上がり時間が測定終盤で増加する傾向が見られた。<br>【まとめ】本実験においてピペロニルブトキシドの妊娠期及び授乳期投与により、次世代マウスの授乳期の行動発達及び離乳後の自発行動に対していくつかの影響が観察された。また、母体毒性が過去の我々の報告よりも低い濃度で観察された。本実験で用いられたピペロニルブトキシドの用量はADI値を基に算出された(0.012%がADI値の約100倍相当)ものであるが、実際の人の食品からの摂取量(0.0326–0.570μg/kg/日)はADI値(0.20mg/kg/日)の1/100以下であるので、現実的なピペロニルブトキシドの摂取量では人に対して影響を及ぼさないものと思われる。
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- DOI : 10.14869/toxpt.42.1.0_P-182
- CiNii Articles ID : 130005483441